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「越後妻有 アート トリエンナーレ 2009」 その3 [現代美術]

引き続き、越後妻有アートトリエンナーレ2009の記事です。
 http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2009-09-25
 http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2009-09-27

これまで、海外のアーティストの紹介をしてきたので、
ここでは日本人のアーティストの作品を紹介したいです。


090925 越後妻有41.JPG
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塩田千春「家の記憶」@下鰕池

地元で日常的に使われてきた品々が配された古民家に
糸を張り巡らした作品です。
糸で視界がぼやける中で、家の記憶が浮かび上がります。
前々回の記事で紹介したゴームリーの作品と一見似ていますが、
糸の色、質感、張り巡らし方などずいぶん違います。
2つを見比べることで、それぞれの作品が
より理解できるような気がします。


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小林壮「空地小屋」@名ヶ山

小屋の中に掘られた深い穴の中に
越後妻有で撮影された写真がスライド形式で次々と投影されます。
単に写真を見せるのではない舞台設定の効果もあって
心に残る作品です。


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古郡弘「胞衣 みしゃぐち」@願入

土と古材で作られた空間は、
入った瞬間、聖地のように
他の場所と異なる空気を感じます。
タイトルの胞衣は胎盤を意味するようで、
包み込んでくれるような優しさも感じます。
もっとも気に入ってる作品の一つです。


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山下工美「椅子」@旧東下組小学校

椅子型のオブジェに斜め下から光を当てると、
座っている人型のシルエットが現れます。
とても計算された作品で、
ワクワクする驚きを感じます。


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斉藤義重「時空」@ナカゴグリーンパーク

斉藤義重さんの遺作がありました。
日本における前衛現代美術の発展に大きく関わった作家の作品は
現代美術の点在する越後妻有の地においても
どっしりとした存在感を持っているような気がしました。


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杉浦久子+杉浦友哉「雪ノウチ」@十日町

090925 越後妻有43.JPG

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越後妻有トリエンナーレ2009
2009/7/26-9/13
http://www.echigo-tsumari.jp/2009/

越後妻有トリエンナーレ秋版
2009/10/3-11/23
http://www.echigo-tsumari.jp/2009autumn/
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「越後妻有 アート トリエンナーレ 2009」 その2 [現代美術]

前回に引き続いて、越後妻有アートトリエンナーレ2009の記事です。
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2009-09-25

色々見た中で特に気に入った作品を紹介したいです。


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シモン・ビール「今を楽しめ」@松代城山

雪だるまが冷蔵庫で保存されています。
日常のちょっとした思い付きに
共感を覚える作品です。


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ジャネット・ローレンス「エクシール/不老不死の薬」@上湯

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ローレン・バーコヴィッツ「収穫の家」@上湯

地元に自生する生薬、薬草を使用した作品と、
地元の草花や穀類を使用した作品。
その機能性だけでなく、
存在の美しさに改めて気づかされます。


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ベルラ・クラウセ「石と花」@小荒戸

古民家をペンライトで巡る作品。
水晶風の石と光を巧みに利用して
素敵な空間が作り出されていました。


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ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー「ストーム・ルーム」@土市

豪雨、雷光、強風、停電など嵐を再現した作品。
五感が刺激されて、心の中もざわめきます。
個性的でとってもおもしろい作品だと思いました。
元歯科の舞台もうまく効いています。


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アンティエス・グルメス「内なる旅」@会沢

ブナ林の中に現れる無数の眼。
見られているにもかかわらず、不思議と落ち着きも感じます。
タイトルにもあるように日々の喧騒から離れて、
心の内側に旅したような作品。


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マリーア・ヴィルッカラ「TIRAMI SU 3 持ち上げて-行ったり来たり」@桐山

地震でできた壁の亀裂が金色で丁寧に補修してあったりと、
大掛かりな装置を持ち込むのではなく、
作者が滞在してつくりだした作品は、
静かな感動を与えてくれます。


090925 越後妻有39.JPG

旧名ヶ山小学校を舞台にした福武ハウスは
7つのギャラリーが参加し個展を開催していました。
写真撮影が禁止だったのですが、
クムサンギャラリーのゴ・ギョンホの作品は
廃校という舞台設定をうまく利用しいて、
記憶に残りました。

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090925 越後妻有19.JPG
上湯の棚田
奥には温泉の湯気が

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越後妻有トリエンナーレ2009
2009/7/26-9/13
http://www.echigo-tsumari.jp/2009/

越後妻有トリエンナーレ秋版
2009/10/3-11/23
http://www.echigo-tsumari.jp/2009autumn/
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「越後妻有 アート トリエンナーレ 2009」 その1 [現代美術]

越後妻有アートトリエンナーレに行ってきました。

棚田の続く里山には、
ここでしか体験できないアートが
溢れていました。
行ってよかったと思います。

なかでも、
廃屋や廃校を利用したプロジェクトに
やはり強く惹かれます。

多くの歴史や記憶を吸収したこれらの施設は
アーティストだけでなく
作品を見る人の想像力も強く刺激します。

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見てきた作品を紹介したいと思いますが、
ここではまずビッグネームの作品を紹介します。



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イリヤ&エミリア・カバコフ「棚田」@まつだい「農舞台」

棚田とアートが結びついた作品で、
越後妻有を代表する作品の一つだと思います。


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クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン「最後の教室」@旧東川小学校

会場である廃校をうまく利用しながら、さらに
光、闇、音、風、匂いなどが感覚を複雑に刺激する作品です。
外国人の作者が作る世界であるにもかかわらず、
廃校という場所の力を介して
自分の記憶と深く結びついてくる作品です。


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マリーナ・アブラモヴィッチ「夢の家」@上湯

古民家を利用して作られた夢を見るための家。
赤、青、緑、紫の4つの部屋で
各々指定のパジャマを着て箱の中で眠り
翌朝見た夢を夢の本に書き残す、という作品です。
設定を聴いただけでも刺激的な作品ですが、
いつか体験してみたい気もします。


090925 越後妻有12.JPG
090925 越後妻有13.JPG
アントニー・ゴームリー「もうひとつの特異点」@二ツ屋

家の中に糸が張り巡らされた作品。
それだけでも美しい作品ですが、
人型の彫刻にこだわるゴームリーらしく
よく見ると糸の中に人間の姿が浮かんでみえます。
(写真では分かりにくいですが、、、)
人間の姿がそこにあることで、
非常に深い作品になっていると思います。


090925 越後妻有16.JPG
リチャード・ディーコン「マウンテン」@桐山

パブリック・アートとしての彫刻作品は
場に力を与える際に有効ですが、
越後妻有のように場に力のある場所では、
逆に力の強い作品には向かない気がします。
リチャード・ディーコンのこの作品は
無機質な素材と有機的なフォルムが
うまく背景に溶け込んでいるような気がしました。


090925 越後妻有15.JPG
ジェームズ・タレル「光の館」@ナカゴグリーンパーク

天井にの四角い穴が空を切り取る有名な作品は、
残念ながら雨天のため屋根が閉まっていました。。。
お風呂の作品も気になりましたが、
宿泊者だけが体験できるようです。



090925 越後妻有14.JPG
ドミニク・ペロー「バタフライパビリオン」@下条・神明水辺公園

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MVRDV「まつだい「農舞台」」@松代駅前

建築界のビッグネームの作品も。
バタフライパビリオンは鏡が周囲の景色を映し、
まつだい「農舞台」は雪国に白ということで、
各々うまく越後妻有の地に溶け込んでいるような気がします。
折りたためる屋根など雪国対応もなされているようです。

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今回で4回目の越後妻有アートトリエンナーレですが、
訪れるのははじめてでした。
もっと前から参加しておけばよかったと後悔しています。

天候に恵まれなかったのが少し残念でした。
機会があればまた行きたいです。

090925 越後妻有2.JPG
星峠の棚田

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越後妻有トリエンナーレ2009
2009/7/26-9/13
http://www.echigo-tsumari.jp/2009/

越後妻有トリエンナーレ秋版
2009/10/3-11/23
http://www.echigo-tsumari.jp/2009autumn/
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タグ:Antony Gormley
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