岡倉天心愛用の風呂敷 [日本美術]
岡倉天心がボストン美術館勤務時代に
愛用したといわれる風呂敷を再現したものです。
色数が多いのに思ったより派手でないのは
日本の伝統色の組み合わせだからでしょうか。
縞柄のデザインはとってもモダンです。
茨城県天心記念五浦美術館のミュージアムグッズです。
http://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp/
岡倉天心をたずねて 五浦へ [日本美術]
前から気になっていた
茨城県の五浦に行ってきました。
五浦は岡倉天心が移り住んだ土地です。
六角堂にも辿りつきました。
岡倉天心が見たであろう景色と
聴いたであろう波の音。
タイムスリップした気分です。
近くには岡倉天心のお墓もあり、
お参りしてきました。
岡倉天心関連の過去の記事:http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-02-12-2
「靉嘔 AY-O 1950s-2010展」@茨城県つくば美術館 [20世紀美術(日本)]
靉嘔さんの回顧展に行ってきました。
1950年から2010年までの60年を回顧する展覧会です。
会期2日目には靉嘔さんのアーティストトークが開催される
ということで聴いてきました。
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靉嘔さんのお話と共に時代順に作品を見ていくことで、
「デモクラート」、「アクション・ペインティング」、「フルクサス」など
時代に影響されながら、
靉嘔さんが誰のものでもないオリジナルのアートを
試行錯誤しながら作り出してきたことが分かります。
そして、そのような試みが時代に影響を与えたことも。
試行錯誤の末には、
「レインボー」を用いた作品に辿りつきます。
一目で靉嘔さんとわかるオリジナリティの高い作品は
時代を超えたものと感じます。
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お話の中に「五感」というキーワードが出てきました。
フィンガーボックスに指を入れた時の驚き
レインボーを見たときの高揚感
靉嘔さんの作品は本当は単純で分かりやすいものではない気がしますが、
頭で考えるより先に五感に訴えてくるパワーを持っています。
この辺りが年齢や国籍を超えて愛され続ける魅力なのだと感じました。
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「靉嘔 AY-O 1950s-2010展」@茨城県つくば美術館
2010/4/23-5/23
http://www.tsukuba.museum.ibk.ed.jp/2010/2010ayo.html
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井上ひさしさんの死亡記事 [演劇]
井上ひさしさんが亡くなられました。
急な知らせにビックリしています。
ご冥福をお祈りします。
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井上ひさしさんの戯曲の多くは
死と隣合わせの重くなりがちな題材が
笑いとともに描かれています。
会場はいつも笑いに包まれていますが、
笑いの奥には
戦争や社会に翻弄される庶民の歴史が
見え隠れしています。
笑いの奥深さが井上さんの戯曲の魅力でした。
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いつも楽しみにしていた井上ひさしさんの舞台の新作を
もう観ることができないと思うと少し寂しいですが、
多くの名作が残りました。
これからも井上さんの舞台を見続けたいなと思います。
---------------
そういえば、
よく観に行くこまつ座の舞台の会場では、
井上ひさしさんをお見かけすることがありました。
一度、トイレの入口で鉢合わせした時、
入口の扉を開けて待っていてくださりました。
物腰の低いやさしい人という印象で、
人柄のよさがにじみ出ていました。
--------------
気がつけばここ10年くらい、
井上さん戯曲の新作は観続けています。
昨年は2本も新作を観ることができました。
笑いに満ちた「ムサシ」もよかったし、
小曽根真さんが生演奏した「組曲虐殺」もよかったです。
笑いの奥に確かに存在する井上さんのメッセージ、
確かに受け取りました。
個人的なお気に入りは
太宰治と樋口一葉を題材にした2作品です。
「人間合格」と「頭痛肩こり樋口一葉」
それから、戦争を題材にした作品も忘れられません。
例えば「紙屋町さくらホテル」や「きらめく星座」とか
そして、初期の猥雑で破天荒な戯曲も魅力的です。
例えば「薮原検校」や「天保十二年のシェークスピア」なんか、
圧倒されます。
あげればキリがないですね。
観てない戯曲もまだまだあるので、
今後も再演をチェックしていきたいなと思います。
急な知らせにビックリしています。
ご冥福をお祈りします。
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井上ひさしさんの戯曲の多くは
死と隣合わせの重くなりがちな題材が
笑いとともに描かれています。
会場はいつも笑いに包まれていますが、
笑いの奥には
戦争や社会に翻弄される庶民の歴史が
見え隠れしています。
笑いの奥深さが井上さんの戯曲の魅力でした。
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いつも楽しみにしていた井上ひさしさんの舞台の新作を
もう観ることができないと思うと少し寂しいですが、
多くの名作が残りました。
これからも井上さんの舞台を見続けたいなと思います。
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そういえば、
よく観に行くこまつ座の舞台の会場では、
井上ひさしさんをお見かけすることがありました。
一度、トイレの入口で鉢合わせした時、
入口の扉を開けて待っていてくださりました。
物腰の低いやさしい人という印象で、
人柄のよさがにじみ出ていました。
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気がつけばここ10年くらい、
井上さん戯曲の新作は観続けています。
昨年は2本も新作を観ることができました。
笑いに満ちた「ムサシ」もよかったし、
小曽根真さんが生演奏した「組曲虐殺」もよかったです。
笑いの奥に確かに存在する井上さんのメッセージ、
確かに受け取りました。
個人的なお気に入りは
太宰治と樋口一葉を題材にした2作品です。
「人間合格」と「頭痛肩こり樋口一葉」
それから、戦争を題材にした作品も忘れられません。
例えば「紙屋町さくらホテル」や「きらめく星座」とか
そして、初期の猥雑で破天荒な戯曲も魅力的です。
例えば「薮原検校」や「天保十二年のシェークスピア」なんか、
圧倒されます。
あげればキリがないですね。
観てない戯曲もまだまだあるので、
今後も再演をチェックしていきたいなと思います。
内藤礼「すべての動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」 [現代美術]
昨年末になるのですが、
内藤礼さんの個展を観に鎌倉へ行ってきました。
とても楽しみにしていた展覧会です。
プリント布や電球、リボン、ビーズ、ガラス瓶、、、
などを利用した作品が
美術館の全体に配されて空間を形成していました。
作品に使用されているものは日常的なものですが、
どれも展示される空間や作者の考える世界にあわせて
慎重に選ばれていることが分かります。
それゆえ、作品は
程よい緊張感を保ちつつ、
空間なじんでいるように感じます。
じっくり時間をかけて
空間を堪能してきました。
展覧会のタイトルであるバタイユの言葉の
「水の中に水があるように」
という言葉の意味を考えながら。
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1/11には内藤礼さん自身が作品を前にお話してくださる機会があり、
せっかくなのでぼくも行ってきました。
貴重な機会ということで、
会場には大変多くの人が詰め掛けていました。
もともと内藤さんの作品は言語化しにくく、
言語を超えた「共感」のようなものを頼りに、
作品を通じて作者と観客は繋がっているように感じます。
内藤さんの紡ぎだす言葉は
決して明快ではないものの、
あいまいな中にも奥に強いこだわりや意志を
感じさせるものでした。
ちょうど内藤さん自身の作品のように。
過去の内藤礼さん関連記事http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2007-12-21
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内藤礼「すべての動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」
@神奈川県立近代美術館 鎌倉館
2009/11/14-2010/1/24
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2009/naito/index.html
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内藤礼さんの言葉はこちらの本↓でも読むことができます。
タグ:神奈川県立近代美術館 内藤礼
「ルイス・バラガン邸をたずねる」@ワタリウム美術館 [建築]
メキシコを代表する建築家、
ルイス・バラガンの自邸に焦点を当てた展覧会です。
SANAA(妹島和世+西沢立衛)の会場構成により、
「バラガン邸」からオリジナルの家具や身の回りの品々、
アルバースの抽象画なども持ち込んで、
「バラガン邸」を再現しています。
オリジナル家具やルイス・バラガンの蔵書などに
ついつい見入ってしまいますが、
本来メキシコまで行かないと体験できない「バラガン邸」の空間を
体感できる貴重な機会だなと思い、
会場で流されていた「バラガン邸」の映像も頼りに
「バラガン邸」の空間を存分に味わいました。
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建築家の自邸は、
その建築家の考えが一番表れている気がします。
依頼主が自分自身ということもあり、
束縛なく素直な自分の思いを表現できるから。
「バラガン邸」にもバラガンの考えが
よく出ている気がします。
ポイントは”光”でしょうか。
メキシコといえば光に満ち溢れたイメージですが、
バラガンの建築はいかに光を切りとるかということに
力を注いでいることが分かります。
インターナショナルスタイルの建築は、
たとえばガラスのカーテンウォールによって、
住宅やオフィスから
安らぎと光の手ざわりを奪いました
というルイス・バラガンの言葉どおり、
「バラガン邸」は光を大胆に切り取ることで、
安らぎと落ち着きのある空間を作り出しています。
ちょうどバラガンの愛した修道院のような空間です。
そのため、空間に身をおくと、
高い精神性を感じます。
この高い精神性がバラガン建築の人を惹きつける魅力
だと感じました。
私の家は、私の心の避難所でした
ルイス・バラガンの言葉です。
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「ルイス・バラガン邸をたずねる」@ワタリウム美術館
2009/9/9-2010/1/24
http://www.watarium.co.jp/exhibition/0908/index.html
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会期は既に終了してしまいました。
行き逃してしまった方には冒頭で紹介した本がおススメです。
今回の展覧会にあわせて発売されたこの本には
バラガン邸の写真とバラガンの言葉がいっぱい詰まっていました。
「クリストとジャンヌ=クロード展」@21_21 DESIGN SIGHT [現代美術]
色んなものを包んでしまうアーティスト、
クリストとジャンヌ=クロード。
常にクリスト共にプロジェクト進めていたジャンヌ=クロードが
2009年11月18日に亡くなられました。
急な知らせにビックリした方も多いと思います。
ぼくもその一人です。
本展覧会はお二人と旧知の三宅一生さんにより急遽企画された
クリストとジャンヌ=クロードのこれまでのプロジェクトを
振り返る展覧会です。
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はじめは瓶や缶などの梱包から始まった彼らの梱包作品は
年を重ねるにつれ建物や橋、崖、島と
大掛かりなものになっていきます。
一時的で大掛かりなプロジェクトは
作品を作る過程の重要性や、作品が作られる場との関係性など
現代美術にとって重要なキーワードが
多く含まれているような気がします。
でも、クリストとジャンヌ=クロードが作品を作るにあたっては
そんなことをあまり気にしていないのかな、と
製作過程を収めた映像を見て思いました。
では、彼らを突き動かしたものは?
きっと”美”じゃないのかな、
と思いました。
何年もかけて大掛かり作品を完成させた時に
クリストによって発せられたのは、
やっと終わったという達成感より先に
”美しい”という言葉でした。
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莫大な資金を必要とする巨大プロジェクトは
寄付や援助を一切受けずに
クリスト自らが製作するドローイングやコラージュ
を売ったお金のみで捻出されます。
それは自分達の思う”美”を
だれにも邪魔されたくなかったからだと思います。
自分達の考える”美”への情熱。
このあたり、
同じく梱包作品を作製していた赤瀬川原平さんが
内側と外側を逆転した缶詰「宇宙の缶詰」により梱包作品を終焉させたように
よりコンセプチュアルな方向に進んでいったこととは
対照的な動きと感じます。
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クリストとジャンヌ=クロードの言葉
-私たちが創り出したいのは、ジョイ(喜び)と
ビューティー(美)の芸術作品です。-
お二人の”美”への情熱を秘めたプロジェクトは
現在も2つ進行中です。
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「クリストとジャンヌ=クロード展」@21_21 DESIGN SIGHT
2010/2/13-4/6
http://www.2121designsight.jp/candj/index.html
http://www.christojeanneclaude.net/
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ライフ=ワークス=プロジェクト―クリストとジャンヌ=クロード
- 作者: 柳 正彦
- 出版社/メーカー: 図書新聞
- 発売日: 2009/12
- メディア: 大型本
Christo And Jeanne-claude (Taschen Basic Art)
- 作者: Jacob Baal-Teshuva
- 出版社/メーカー: Taschen America Llc
- 発売日: 2002/01/29
- メディア: ペーパーバック
The Umbrellas: Japan/USA 1984-91 (Collector's Editions)
- 作者: Christo
- 出版社/メーカー: Taschen America Llc
- 発売日: 1999/07
- メディア: ハードカバー
Eye of Christo and Jeanne-Claude / druk 1
- 作者: W. Volz
- 出版社/メーカー: Agora/ Tempus
- 発売日: 2007/05
- メディア: Perfect
Christo and Jeanne-Claude: Over the River: Project for the Arkansas River, State of Colorado
- 作者: Simon Schama
- 出版社/メーカー: Taschen America Llc
- 発売日: 2008/08/28
- メディア: ハードカバー