ガウディ設計 サンタ・テレサ学院へ [建築]
バルセロナではサンタ・テレサ学院にも行ってきました。
1890年に完成したガウディ設計による学校で、
現在も女学校として使われています。
そのため、内部の見学ができないのは少し残念です。
初期のガウディの作品に比較的多用されている
放物線状のアーチが規則正しく並ぶ窓が印象的です。
サンタ・テレサ学院は
バルセロナでカサ・ビセンス、パラウ・グエルに続く
比較的初期の作品です。
その後の有機的曲線の登場はまだあまりなく、
全体の印象は幾何学的な造形です。
ただ、初期の作品も細部を見ると
その後に繋がる要素が
色々と見受けられるような気がします。
col.legi Teresia http://www.barcelonaturisme.com/Col-legi-de-les-Teresianes/_3Ngb8YjSpL3U56ScBHOWcxpDev_Vr2xekaU_Y8YIIBSXR9hwAP8bFc-THiF7veMZ
過去の関連記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-25 (カサ・ビセンスへ)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-27 (フィンカ・グエルへ)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-28 (パラウ・グエルへ)
ガウディ設計 パラウ・グエルへ [建築]
バルセロナではパラウ・グエルにも行ってきました。
パラウ・グエルはガウディが
エウセビ・グエルのために設計した邸宅です。
全体的に豪華ですが華美にならず、
ゴシックを感じさせる重厚な造りになっています。
太い円柱とアーチが連なる地下は
馬小屋として使われていました。
見どころの一つは中央吹き抜け部分の天井で、
放物線アーチ状の丸天井から複数の穴を通して自然光が零れ落ち、
美しくスケールの大きな空間となっています。
また、屋上の煙突も見どころの一つです。
パラウ・グエルはカサ・ビセンスに続く初期の作品ですが、
その後の代名詞となる色彩豊かな破砕タイルが
ここでも大胆に使われています。
開館日時が限定されていたり、
改装工事が行われていたりと見学しづらい状況が続いていたようですが、
現在は改装工事も終わり見学しやすい状況になっています。
建物内部が存分に見学できるのは貴重です。
palau guell http://www.palauguell.cat/
過去の 関連記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-25 (カサ・ビセンスへ)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-27 (フィンカ・グエルへ)
ガウディ設計 フィンカ・グエルへ [建築]
バルセロナではフィンカ・グエルを見に行ってきました。
フィンカは広大な土地という意味で、
エウセビ・グエルの広大な別荘地の門をガウディが設計しました。
エウセビ・グエルはその後ガウディに
グエル邸やグエル公園などを依頼する
ガウディのよき理解者でパトロン的存在の人物です。
フィンカ・グエルは
ガウディ最初の個人住宅カサ・ビセンスと同時期の設計で、
ガウディの中でも初期の作品になります。
レンガの多用による幾何学的な設計は
カサ・ビセンスに似た雰囲気も感じます。
フィンカ・グエルで一番目を引くのは
門に施された鉄製のドラゴンです。
残念ながら時間が合わず中には入れなかったのですが、
平日の午前中のガイド・ツアーに参加すれば
中にも入れるようです。
がんばればカンプ・ノウから歩いていけます。
過去の関連記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-25 (カサ・ビセンスへ)
ガウディ設計 カサ・ビセンスへ [建築]
バルセロナではカサ・ビンセスを見に行ってきました。
カサ・ビンセスはガウディがバルセロナで手がけた
最初の個人住宅です。
残念ながら内部は一般に非公開ということで、
外観のみを見学しました。
ガウディはモデルニスモの時代のスペインを代表する建築家です。
モデルニスモは英語でモダニズムですが、
その中身は国によって違います。
スペインのモデルニスモは装飾的で
アール・ヌーボーに近く感じます。
ガウディはその後、独自の芸術を完成させていきますが、
カサ・ビセンスはまだ同時代のモデルニスモの建築家同様の
細かな装飾が見られます。
自然のモチーフの多用は
アール・ヌーボーと同様ですが、
ガウディのその後の建築に繋がっている気がします。
タイル製造業者だったマヌエル・ビセンスの邸宅ということもあり、
タイルが効果的に使われています。
市松模様に配置されたタイルなどは、
イスラムの雰囲気も感じさせ
ネオ・ムデハル様式と呼ばれることもあります。
ムデハル様式はキリスト教建築とイスラム教建築の融合した
スペイン独特の建築様式です。
地下鉄Fontana駅またはLesseps駅から歩いていくと、
住宅街に突然現れます。
過去の関連記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2009-03-08 (アーツ&クラフツ展;各国の近代工芸運動)
ダリ劇場美術館@フィゲラスへ [20世紀美術(海外)]
スペイン旅行ではダリ劇場美術館にも行ってきました。
美術館はバルセロナから電車で1時間半ほどの街、
フィゲラスにあります。
フィゲラスはダリが生まれ暮らした街です。
そのフィゲラスにあった市立劇場を改築して、
ダリ劇場美術館は生まれました。
美術館には
ダリの描く超現実主義の世界が再現されたかのような、
不思議な空間が広がっていました。
また、
ガラ夫人への愛にも満ち溢れていました。
晩年、ダリ自身が暮らした美術館の
メインホールの地下には、
遺言によりダリが埋葬されています。
ダリ劇場美術館 http://www.salvador-dali.org/en_index.html
ピカソ美術館@バルセロナへ [20世紀美術(海外)]
バルセロナではピカソ美術館にも行ってきました。
バルセロナの街は古代ローマ遺跡も残るほど歴史がありますが、
ピカソ美術館は比較的歴史の古い旧市街のゴシック地区にあり、
中世に建てられた邸宅を改築して美術館として利用しています。
バルセロナはピカソが1895-1904年に暮らした街でもあります。
美術館にはバルセロナ時代の作品と、
バルセロナ以前の青年時代の作品が充実しています。
ピカソはバルセロナ時代のの途中1901年にパリに滞在していますが、
パリ滞在前後で作風が大きく変わるのも分かります。
青の時代の作品はパリ滞在後のバルセロナで生まれました。
また、バルセロナのピカソ美術館は
ベラスケスの「ラス・メニーナス」を題材とした
連作58点が全て収蔵されていて、
大きな見どころとなっています。
連作全てを一度に見ることで、
ピカソが「ラス・メニーナス」を自由に壊し再構築を行った過程を
感じ取ることができるような気がします。
バルセロナ・ピカソ美術館 http://www.museupicasso.bcn.es/
関連記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-18 (クアトラ・ガッツ@バルセロナ)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-13 (ピカソの壁画@バルセロナ)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-12-14 (ゲルニカ製作過程)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-02-14 (ピカソの屋外彫刻@パリ)
↓「ラス・メニーナス」に限らず、ピカソは様々な画家の作品を題材としました
↓ピカソを巡る旅の必携本です
クアトロ・ガッツ@バルセロナへ [20世紀美術(海外)]
バルセロナでは「クアトロ・ガッツ」に行ってきました。
パブロ・ピカソが
バルセロナで初の本格的な個展を開いた
「4匹の猫」という意味のカフェ「クアトラ・ガッツ」は、
当時の芸術家達の溜り場だったようです。
1903年に閉店しましたが、
時を経て1970年代後半に地中海料理店として再オープンして
現在に至ります。
今は芸術家達の溜り場ではありませんが、
ピカソの描いたメニューの表紙が使われるなど
内装を含め当時を偲ばせる雰囲気が再現されています。
「クアトラ・ガッツ」の入っている建物は、
実はプッチ・イ・カダファルクの設計で、
建物自体も魅力のひとつになっています。
カダフォルクはガウディ、モンタネールと並んで
モデルニスモ建築の3巨匠と呼ばれる建築家です。
細部まで細かく施された装飾が素敵です。
店員の方の対応もよく、料理をおいしくいただくことができました。
ラモン・カサスの描いた2人乗り自転車の絵は
店のシンボル的な存在で、
レプリカが店内に飾られるとともに、
ランチョンマットやカップにも使われていました。
ラモン・カサスは今回の旅行ではじめて知ったのですが、
当時の代表的な画家の一人です。
カタルーニャ美術館に2人乗り自転車の絵の本物を含め、
多くの作品が展示されていました。
4 Gats http://www.4gats.com/
過去の関連記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-03-31 (カダフォルク設計Caixa Forum Barcelona)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-03 (カタルーニャ美術館@バルセロナ)
Picasso and Els 4 Gats: The Early Years in Turn-Of-The-Century Barcelona
- 作者: Pablo Picasso
- 出版社/メーカー: Bulfinch Pr
- 発売日: 1996/09
- メディア: ハードカバー
ピカソの壁画@バルセロナ・カタルーニャ建築協会 [20世紀美術(海外)]
バルセロナの街角に建つカタルーニャ建築協会の壁画は
ピカソが描いたものでした。
バルセロナの伝統的な祭りに登場する巨人ジャガンツ、人間の塔カステルス、
カタルーニャの民族舞踏サルダーナスなどが描かれています。
カタルーニャ建築協会 http://www.coac.net/home/frames/fhomeINSTITUCIO.htm
ミロ美術館@バルセロナへ [20世紀美術(海外)]
バルセロナではミロ美術館にも行ってきました。
運よく「THE LADDER OF ESCAPE」と題する
大規模な展覧会が開催中で、
ミロ美術館以外の美術館が収蔵する作品も含め
代表的なジョアン・ミロの作品を多く観ることができました。
ジョアン・ミロ財団 http://www.fundaciomiro-bcn.org/
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ミロ美術館で買ってきたガイドブックに
ミロのバイオグラフィーなどに並んで
ミロの関連書籍集が年代順に載っているのですが、
その一番最初の欄に
『1940年 瀧口修造「ミロ」東京・アトリヱ社』
とあります。
有名な話なのかもしれませんが、
1940年に刊行された瀧口修造さんの小さな画集も兼ねたミロ論の本が
実は世界で最初のミロに関する単行本なのだそうです。
1966年に初来日したミロがそのことに気がついて以来、
ミロと瀧口修造さんの交友が始まったようです。
瀧口修造さんの収蔵品を集めた
「瀧口修造 夢の漂流物」展(2005年)では、
競作した作品やプレゼントの瓢箪、
瀧口修造さんへのミロの追悼の手紙など
ミロとの交友を物語る品々が展示されていました。
以下は瀧口修造さんによるミロ評です。
田舎から出てきそうな実直そうな人物、
近代絵画にまったく未知の原型を創造し、
しかも夜明けのように爽やかなリリシズムの半面に、
激しい黒いユーモアと怒りをさえ内在している
ジョアン・ミロという画家その人、
その長い営みとそのような絵画の形成そのものに
私は畏敬と親しみを同時に感じている
作品の評価の奥にミロという人物への評価が見えます。
過去の関連記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2005-02-27-2 (瀧口修造 夢の漂流物展)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06 (ミロとカルダー)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-01-15 (ミロのモザイク@バルセロナ)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-01-14-1 (ミロの屋外彫刻@バルセロナ)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02-1 (ミロの屋外彫刻@パリ・新凱旋門)
現代世界美術全集〈18〉エルンスト,ミロ (1972年) 愛蔵普及版
- 作者:
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1972
- メディア: -
タグ:Joan Miró
アレクサンダー・カルダー「4 wings」@バルセロナ・ミロ美術館 [屋外彫刻]
バルセロナのミロ美術館でカルダーの彫刻を見つけました。
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なぜ、ミロ美術館にカルダーの作品が?
と思って調べてみたのですが、
2人は親交が深かったようです。
2004年に開催された「CALDERMIRO」という展覧会のHPを見ていると、
今までそんなことを思ったことは無かったんですが、
2人の作品がなんとなく似ていることに改めて気付きます。
彫刻と絵画という枠を超えて響きあっているように感じます。
CALDERMIRO http://previousexhibitions.fondationbeyeler.ch/e/html_11sonderaus/19calder_miro/index.php
パリの新凱旋門でも2人の作品が競演していました。
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02-1
カルダー関連の過去の記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-05-23-1 (カルダー3代@フィラデルフィア)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02-1 (パリ・新凱旋門のカルダー作品)
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-07-29-1 (名古屋のカルダー作品)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-12-05 (マドリッドのカルダー作品)
Alexander Calder and Joan Miro
- 作者: Elizabeth Hutton Turner
- 出版社/メーカー: Irish Museum of Modern Art
- 発売日: 2007/09/30
- メディア: ペーパーバック