クロイスターズ・メトロポリタン美術館分館へ [海外美術]
ニューヨーク旅行の際、
クロイスターズに行ってきました。
クロイスターズは、
マンハッタン島の北東部に位置するメトロポリタン美術館の分館で、
ヨーロッパ中世の建築遺構を利用した
中世ヨーロッパ美術を専門にした美術館です。
過去にブログの記事でも何度か書いているのですが、
その後の華やかな時代に比べて
地味なイメージがあるヨーロッパ中世が
ぼくは結構好きです。
ヨーロッパ中世の静かな祈りの空間は
奇妙に心が落ち着きます。
パリのクリュニー館と同様に、、
ここクロイスターズにも一角獣のタペストリーのコレクションがありました。
最後の作品はロベール・カンピンの「受胎告知」です。
フランドル絵画を代表する作品が
ふさわしい場所で出迎えてくれました。
MET CLOISTERS http://www.metmuseum.org/visit/visit-the-cloisters
↓過去の関連記事
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-02-16 (クリュニー館@パリ)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-03 (カタルーニャ美術館@バルセロナ)
Robert Campin: A Monographic Study With Critical Catalogue (Art & Design)
- 作者: Felix Thuerlemann
- 出版社/メーカー: Prestel Pub
- 発売日: 2002/12
- メディア: ハードカバー
↓今回の旅行で参考にした芸術新潮のニューヨーク特集号でも、
クロイスターズが紹介されています。
カタルーニャ美術館@バルセロナへ [海外美術]
バルセロナにあるカタルーニャ美術館は、
カタルーニャ北部のピレネー山脈にある村々から集められた
中世ロマネスク時代の壁画がとても有名で、
見に行ってきました。
前にも書いたことがあるのですが、
その後の華やかな時代に比べて
中世は地味なイメージがありますが、
ぼくはそんな中世が結構好きです。
神が中心にいた中世の空間は
絶対的な神に守られた静かな祈りの空間で
奇妙に心が落ち着きます。
ルネッサンス以降の遠近法や解剖学に基づくリアルさは
ここにはまだ登場していません。
リアルさよりも大事な何かがあったのだと思います。
心に響くものがあります。
ところで、
ルネッサンスの影響を受けていない中世の美術は
ルネッサンス以降の伝統からの脱却を試みた
20世紀美術に似ている気がします。
20世紀美術は
リアルさだけでは伝えられないものを
表現できるようになりましたが、
中世美術にも同様なものを感じます。
多くの中世芸術の残されたカタルーニャから
ピカソ、ミロ、ダリ、ガウディなど
多くの20世紀を代表する芸術家が生まれたのは
偶然ではない気がします。
↓中世に関してはこちらの記事も参照ください
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-02-16 (クリュニー館_国立中世美術館へ)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-04-14 (神の視点 アンドレアス・グルスキーの写真)
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カタルーニャ美術館には中世以外にも
中世以降から近代までのカタルーニャ芸術が
広い館内に展示されていました。
カタルーニャ美術館 http://www.mnac.cat/index.jsp?lan=001
マドリッド ゴヤめぐり [海外美術]
マドリッドではプラド美術館以外にも
いくつかゴヤ作品をめぐってきました。
王宮前の道を南下するとある
サン・フランシスコ・エル・グランデ教会では
6つの祭壇画のうちの一つを
ゴヤが描いています。
ガイドツアーに参加して見学ができます。
英語のツアーもあるかもしれませんが、
ぼくが参加したのはスペイン語のツアーでした。
ガイドの内容はほぼ分かりませんでしたが、
ゴヤの作品はすぐに分かりました。
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サン・アントニオ・デ・ラ・フロリダ聖堂には
ゴヤのパンテオンと呼ばれる
ゴヤのフレスコ天井画があります。
比較的小さな聖堂ですが、
ゴヤの天井画はとても見ごたえがありました。
また、この聖堂には現在ゴヤのお墓もあるので、
少し離れた場所にありますが行く価値があると思います。
入場料は無料でした。
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マドリッドにはプラド美術館以外にも
ゴヤの作品を収めた美術館が多くあります。
プエタ・デル・ソルの近くにある
王立サン・フェルナンド美術アカデミーは
スペイン絵画を多数収蔵していますが、
ゴヤの作品も充実していました。
ゴヤ以外にも見所は多いのですが、
アルチンボルトの作品が見れたのは驚きでした。
王立サン・フェルナンド美術アカデミー http://rabasf.insde.es/
いくつかゴヤ作品をめぐってきました。
王宮前の道を南下するとある
サン・フランシスコ・エル・グランデ教会では
6つの祭壇画のうちの一つを
ゴヤが描いています。
ガイドツアーに参加して見学ができます。
英語のツアーもあるかもしれませんが、
ぼくが参加したのはスペイン語のツアーでした。
ガイドの内容はほぼ分かりませんでしたが、
ゴヤの作品はすぐに分かりました。
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サン・アントニオ・デ・ラ・フロリダ聖堂には
ゴヤのパンテオンと呼ばれる
ゴヤのフレスコ天井画があります。
比較的小さな聖堂ですが、
ゴヤの天井画はとても見ごたえがありました。
また、この聖堂には現在ゴヤのお墓もあるので、
少し離れた場所にありますが行く価値があると思います。
入場料は無料でした。
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マドリッドにはプラド美術館以外にも
ゴヤの作品を収めた美術館が多くあります。
プエタ・デル・ソルの近くにある
王立サン・フェルナンド美術アカデミーは
スペイン絵画を多数収蔵していますが、
ゴヤの作品も充実していました。
ゴヤ以外にも見所は多いのですが、
アルチンボルトの作品が見れたのは驚きでした。
王立サン・フェルナンド美術アカデミー http://rabasf.insde.es/
ゴヤ (ニューベーシック) (ニューベーシック・アート・シリーズ)
- 作者: ローズ=マリー&ライナー・ハーゲン
- 出版社/メーカー: タッシェン
- 発売日: 2004/07/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
プラド美術館へ [海外美術]
マドリッドではプラド美術館にも行ってきました。
ベラスケスの「ラス・メニーナス」も観ることができました。
絵画としての魅力以外に
多数の視線の交錯する複雑な構図も気になる作品です。
フーコーの「言葉と物」での議論をかじった時から
一度見てみたかった作品です。
王室御用達画家だったこともあり
プラド美術館にはベラスケスの作品が多数あり、
堪能できました。
時代は違うのですが、
ベラスケス同様にゴヤも王室御用達画家だったので
ゴヤの作品も多く観ることができました。
ぼくが行った時は
ちょうど日本で「ゴヤ展」が開催中だったのですが、
日本への貸し出しの影響はほとんど感じさせないほどの
ゴヤ作品の充実ぶりでした。
王室御用達画家だったゴヤは
生涯のなかで王室御用達画家とは思えない題材の作品も多数描いていて、
その二面性に惹かれます。
特に「ブラック・ペインティング(黒い絵)」と呼ばれる一連の作品は
怖いもの見たさのような不思議な魅力を備えていて
強い印象が残ります。
「ブラック・ペインティング(黒い絵)」の魅力については
伊集院静さんが「美の旅人 スペイン編」で語っています。
ゴヤ以外も含め多くのスペイン絵画を訪ね歩いた本です。
今回の旅行の参考になりました。
スペイン王室と切っても切れないハプスブルグ家は
家系図と名前が複雑で困るのですが、
絵画を頼りにすると少しは覚えられそうです。
中野京子さんの本は
プラド美術館に行く前に読んで
とても参考になりました。
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)
- 作者: 中野 京子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/08/12
- メディア: 新書
プラド美術館 http://www.museodelprado.es/en
「ドラクロア展」@Caixa Forum Madrid [海外美術]
マドリッドにあるカイシャ・フォルム・マドリッドでは
「ドラクロア展」が開催中でした。
ルーブル美術館の所蔵する作品を中心に
数多くの作品が展示されていました。
ドラクロアの作品を日本で
これだけ観ることができる機会はほとんどなく
貴重な体験でした。
驚くことに入場は無料です。
Caixaはスペインの銀行で
Caixa Forum はその文化施設です。
メセナの一環だと思いますが、
とてもハイレベルで驚きます。
建物は歴史あるメディオディア電気公社の建物を
ヘルツォーク&ド・ムーロンがリノベーションしたものです。
さらに、建物の前の広場にはパトリック・ブランによる
植物の壁もあります。
こちらも見逃せないです。
場所はプラド美術館前のPaseo del Prado通りをAtocha駅方向に歩くと
プラド美術館とは通りを挟んで反対側にすぐに見つかります。
Caixa Forum Madrid
http://obrasocial.lacaixa.es/nuestroscentros/caixaforummadrid/caixaforummadrid_es.html
ケ・ブランリー美術館@パリ [海外美術]
パリ旅行ではケ・ブランリー美術館にも行ってきました。
ケ・ブランリー美術館は
アジア・オセアニア・アフリカなどの
美術品を集めた美術館です。
民具や祭具が展示の中心で博物館や民芸館に近いと思います。
建物はジャン・ヌーベルさんの設計で、
展示はとても凝っていてユニークですが、
観やすい美術館でした。
夜のライトアップも独特でした。
ケ・ブランリー美術館 http://www.quaibranly.fr/
オランジェリー美術館とマルモッタン美術館へ [海外美術]
パリではグラン・パレのモネ展に引き続き、
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-02-23-1
2つの美術館に行ってきました。
1つはオランジェリー美術館。
ここでは「睡蓮」の連作が楕円形の2つの部屋を
囲むように展示されています。
モネの意向どおりに
自然光に美しく照らされた「睡蓮」に囲まれて
座りながらゆっくり過ごすと
心が落ち着きます。
Musée de http://www.musee-orangerie.fr/
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もう1つ、マルモッタン美術館にも行ってきました。
印象派という名前の元になったと言われる
モネがル・アーブルの港を描いた「印象・日の出」
を収蔵する美術館です。
僕が行ったときは、
グラン・パレのモネ展に合わせるように
マルモッタン美術館でもモネ展が開催されていました。
美術館名(Musée Marmottan Monet)に
モネの文字が入っていることから分かるように
モネの作品を多数収蔵しており、
充実した展覧会でした。
やっぱりモネの作品には惹かれます。
Musée Marmottan Monet http://www.marmottan.com/
Musee Marmottan's Treasures of Monet (Musee Marmottan Paris)
- 作者: Michael Howard
- 出版社/メーカー: Andre Deutsch Ltd
- 発売日: 2007/05/07
- メディア: ハードカバー
「Exposition Monet 2010 モネ展」@パリ・グランパレ [海外美術]
現在パリのオルセー美術館は大改装中です。
展示作品が大幅に制限されているのは
今回のパリ旅行で残念な点でした。
ただ、そのおかげで日本では
「オルセー美術館展」が巡回し、
多くの有名な作品がやってきました。
一方、パリでは
オルセー美術館所蔵のモネの作品を核にしつつ
欧米各国からも多くのモネの作品を集めて、
大規模なモネの展覧会が開催されました。
場所はグラン・パレ。
かなり混雑していて、
事前予約をしていなかったこともあり
3時間待ちでようやく入場できました。
展覧会はというと、
ハイレベルな質と量の作品に圧倒されました。
このような展覧会が開催されるパリの方々がうらやましいです。
オルセー美術館(とピカソ美術館)が改装中なので
パリに行くか少し迷ったのですが、
今回のようなモネ展に出会えてよかったです。
オルセー美術館が改装中ゆえの展覧会でした。
↓公式HP 展覧会は終了しましたが、とてもきれいなHPなので一見の価値ありです。
Exposition Monet 2010 http://www.monet2010.com/
モネ (ニューベーシック) (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)
- 作者: クリストフ・ハインリッヒ
- 出版社/メーカー: タッシェン
- 発売日: 2000/07/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
クリュニー館(国立中世美術館)へ [海外美術]
パリ旅行の際、
国立中世美術館に行ってきました。
古代ローマ時代の公共浴場跡地に
14世紀のクリュニー会の大修道院長が建てた
歴史的建物(クリュニー館)を利用した美術館には
中世の美術品が幅広く展示されています。
その後の華やかな時代に比べて
中世は地味なイメージがありますが、
ぼくはそんな中世が結構好きです。
ルネッサンス以降、
遠近法、骨格に基づくリアルさ、ドラマチックな演出など
多くの新しい芸術表現が生まれましたが、
これらは神を身近なものにする一方で
神が中心にいた中世の空気は
失われてしまった気がします。
人間が中心になる以前、
神が中心にいた中世の空間は
絶対的な神に守られた静かな祈りの空間で
奇妙に心が落ち着きます。
ノートル=ダム大聖堂の残るパリは
中世から続く都市ですが、
歴史的には都市改造を繰り返しているため
実はパリに古い街並みはあまり残っていないようです。
クリュニー館はそんなパリで
数少ない中世を感じられる空間です。
中世の静かな祈りの空間は
心が落ち着くとともに
とても美しいと思います。
↓中世に関してはこちらの記事も参照ください
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-04-14 (神の視点 アンドレアス・グルスキーの写真)
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Musee National du Moyen Age http://www.musee-moyenage.fr/
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↓こちらの本を参考にしました。パリの街で中世を探すのに役立ちます。
モディリアーニのミニチュア彫刻 Female Head [海外美術]
モディリアーニのミニチュア彫刻です。
もちろんレプリカですが、
きちんと石を彫刻してでできているようです。
先日、国立新美術館のモディリアーニ展に行った時、
地下のお店で購入しました。
買おうかどうか迷いますが、
この手のものは気づいた時に買わないと、
後で欲しくなった時に、
後悔することも多いので、
今回は買ってみました。
オランダ製のようです。
http://www.talariaenterprises.com/product_lists/parastone/products_large/mo02-modigliani-head.html
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「モディリアーニ展」@国立新美術館
2008/3/26-6/9
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ブランクーシの影響の下、
彫刻家として作品づくりを始めたモディリアーニによる、
柱を支える女性像「カリアティッド」のドローイングが
多数展示されていました。
The Unknown Modigliani: Drawings from the Collection of Paul Alexandre
- 作者: Noel Alexandre
- 出版社/メーカー: Harry N Abrams
- 発売日: 1993/10
- メディア: ハードカバー
Drawings of Modigliani (Master Draughtsman Series)
- 作者:
- 出版社/メーカー: Borden Pub Co
- 発売日: 1991/12
- メディア: ペーパーバック