「李禹煥と韓国の作家たち」展@東京オペラシティ アートギャラリー 収蔵品展 [20世紀美術(日本)]
東京オペラシティ・アートギャラリーの収蔵品展
「李禹煥と韓国の作家たち」展に行ってきました。
東京オペラシティ共同事業者の寺田小太郎さんによる寺田コレクションの中から
李禹煥さんを中心に韓国にルーツを持つ8名の作家の作品を集めた展示です。
長年日本を中心に活躍される李禹煥さんの作品を観る機会は多いですが、
今回のように韓国にルーツを持つ作家たちの作品と並べて展示される機会は
めずらしい気がします。
今回の展示を観ていると、
李禹煥さんの作品は他の作家たちの作品の中に
違和感無く溶け込んでいるように感じました。
展示された作品はどれも一見素朴でシンプルな抽象画ですが、
作品の質感や余白の白地にこだわりを感じさせ、
どこか彫刻的なオーラや緊張感を感じさせる点など
李禹煥さんの作品との共通項が多いように思いました。
李朝的な伝統といってしまうと
日本のアートをどれも禅で括ってしまうようで単純すぎる気がしますが、
高い精神性を感じさせる作品を生み出す風土があるのかもしれないと感じました。
李禹煥さんや韓国にルーツを持つ作家たちの作品を観る新たな視点を得た気がします。
過去の李禹煥さん関連記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2010-08-13 (李禹煥美術館)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2005-11-25 (李禹煥展@横浜美術館)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-12-26 (お台場にある作品)
東京オペラシティ アートギャラリーHP (展示風景の写真あり)
http://www.operacity.jp/ag/exh130.php
タグ:李禹煥
直島 李禹煥美術館へ [20世紀美術(日本)]
直島に行ってきました。
直島には以前にも1度行ったことがあるのですが、
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2007-12-02
李禹煥さんの美術館が新しく出来たので、早速行ってきました。
海に通じる谷間に作られた美術館は
安藤忠雄さん設計によるもので
直島の他の美術館同様に環境に溶け込むように建てられています。
入り口前には李禹煥さんの代表作でもある
関係項シリーズの作品が配置されています。
主に自然石と鉄板よりなる関係項シリーズですが、
美術館前の作品は18mのコンクリートの柱も加わり、
安藤忠雄さんの建物とも呼応するとともに、
直島の風景に負けないスケール感を得て、
今までにない大きな空間の広がりを感じさせてくれる作品です。
内部には、関係項シリーズのほかに
「点より」、「線より」といった比較的初期の作品などを展示する出会いの間、
漆喰の壁に直接描いた瞑想の間など
李禹煥さんの代表的な作品を見ることができます。
李禹煥さんの作品は
作品の周りに広がる緊張感のある空間(=余白)がとても重要で
作品に深みを与えています。
李禹煥さんの作品のために建てられた安藤忠雄さんの建築は
緊張感のある余白の役割をうまく果たしていると感じました。
過去の李禹煥さん関連記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2005-11-25 (李禹煥展@横浜美術館)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-12-26 (お台場にある作品)
李禹煥美術館 http://www.benesse-artsite.jp/lee-ufan/
直島には以前にも1度行ったことがあるのですが、
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2007-12-02
李禹煥さんの美術館が新しく出来たので、早速行ってきました。
海に通じる谷間に作られた美術館は
安藤忠雄さん設計によるもので
直島の他の美術館同様に環境に溶け込むように建てられています。
入り口前には李禹煥さんの代表作でもある
関係項シリーズの作品が配置されています。
主に自然石と鉄板よりなる関係項シリーズですが、
美術館前の作品は18mのコンクリートの柱も加わり、
安藤忠雄さんの建物とも呼応するとともに、
直島の風景に負けないスケール感を得て、
今までにない大きな空間の広がりを感じさせてくれる作品です。
内部には、関係項シリーズのほかに
「点より」、「線より」といった比較的初期の作品などを展示する出会いの間、
漆喰の壁に直接描いた瞑想の間など
李禹煥さんの代表的な作品を見ることができます。
李禹煥さんの作品は
作品の周りに広がる緊張感のある空間(=余白)がとても重要で
作品に深みを与えています。
李禹煥さんの作品のために建てられた安藤忠雄さんの建築は
緊張感のある余白の役割をうまく果たしていると感じました。
過去の李禹煥さん関連記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2005-11-25 (李禹煥展@横浜美術館)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-12-26 (お台場にある作品)
李禹煥美術館 http://www.benesse-artsite.jp/lee-ufan/
タグ:李禹煥
「いみありげなしみ」@東京国立近代美術館 ギャラリー4 [20世紀美術(日本)]
東京国立近代美術館の常設展示のギャラリー4で開催中の
「いみありげなしみ」展に行ってきました。
人がしみを見た場合、
しみそのものを見る以上に
きっといろいろ考えてしまうと思います。
なぜしみができたのか?
いったい誰がつけたものか?
しみを見るということは、
通常の絵画(静物画とか)を見るのと異なり、
しみのできた経緯やしみをつけた人の存在を
ひどく意識させられます。
そして、しみの背後に透けて見える経緯や人の存在は
時に思いがけない物語を想像させます。
しみというものは
通常の絵画以上に人の想像力を刺激する存在のようです。
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展示作品の中でも
もっともキーとなる作品は
榎倉康二さんの作品だと思います。
例えば、大きなカーテンにしみのつけられた作品
そして、フェルトに2つのしみつけられた作品
どちらもしみが大変気になる存在ですが、
よくみると複数のしみが
どれも同じ形をしていることに気づきます。
偶然であるはずのしみが意図的と気づいた瞬間、
背後にいる作者の存在がぐっと浮かび上がってきます。
とても想像力を刺激する作品だと思います。
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「いみありげなしみ」@東京国立近代美術館 ギャラリー4
2010/4/10-8/8
http://www.momat.go.jp/Honkan/Meaningful_Stain/index.html
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過去の榎倉康二さん関連の記事:
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2005-01-30-1 (榎倉康二展@東京都現代美術館)
「いのくまさん 猪熊弦一郎展」 @東京オペラシティ [20世紀美術(日本)]
猪熊弦一郎さんの展覧会が開催中です。
猪熊弦一郎さんの画に
谷川俊太郎さんがことばを寄せた絵本「いのくまさん」
に基づき構成された展覧会です。
谷川さんのことばに導かれながら
いのくまさんの世界を巡る展覧会で、
絵本同様に誰もがアートの楽しさに触れることができる
内容になっています。
普段は香川県の丸亀市にある
猪熊弦一郎現代美術館に行かなければ見れない作品が
東京でたくさん観ることができてうれしかったです。
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猪熊弦一郎現代美術館のオリジナルグッズも
会場脇で売られていました。
以前猪熊弦一郎現代美術館に行ったときに
いろいろ買ってきたのですが、
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2007-12-15-1
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2007-12-15
気になるグッズがいっぱあって見逃せないです。
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猪熊弦一郎さんを知らない方でも
猪熊さんを一番身近に感じているであろうものといえば、、
三越の包装紙です。
実は猪熊弦一郎さんのデザインです。
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2007-12-17
帝国劇場や上野駅にも作品があります。
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2008-09-05
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「いのくまさん 猪熊弦一郎展」 @東京オペラシティ
2010/4/10-7/4
http://www.operacity.jp/ag/exh117/
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荒川修作さんの死亡記事 [20世紀美術(日本)]
荒川修作さんの死亡記事を見つけました。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0520/TKY201005190478.html
先日、国立国際美術館での「死なないための葬送」展を
観にいったことを書いたばかりだけに、驚きです。
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2010-05-16
最近の荒川さんは、奥さんのマドリン・ギンズさんとともに、
「天命反転」=「死なないための」をキーワードに
活動されていました。
「死ぬのは法律違反です」とまで言っていた荒川さんが
お亡くなりになられた今、
改めて「死なないための」ということの意味を
深く考えないといけないわけにはいきません。
常に深く考えさせる荒川さんの
最後の謎掛けのような気がします。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0520/TKY201005190478.html
先日、国立国際美術館での「死なないための葬送」展を
観にいったことを書いたばかりだけに、驚きです。
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2010-05-16
最近の荒川さんは、奥さんのマドリン・ギンズさんとともに、
「天命反転」=「死なないための」をキーワードに
活動されていました。
「死ぬのは法律違反です」とまで言っていた荒川さんが
お亡くなりになられた今、
改めて「死なないための」ということの意味を
深く考えないといけないわけにはいきません。
常に深く考えさせる荒川さんの
最後の謎掛けのような気がします。
「死なないための葬送 荒川修作初期作品」展 @国立国際美術館 [20世紀美術(日本)]
荒川修作さんの初期の棺桶型作品を集めた展覧会です。
会場には塊状の物体が入った棺桶が並びます。
セメントと綿で作られた塊状の物体は
近寄って見ると不思議と有機物のような気配を感じます。
中にはかすかに人の名残を感じるものもあり、
ミイラのようでもあります。
棺桶ということから「死」を感じさせますが、
ミイラのように奇妙な生々しさを感じさせます。
死から解放されたかのように。。。
荒川修作さんは最近はマドリン・ギンズさんとともに
「天命反転」という名の建築や空間を作られています。
「天命反転」=「死なないための」
初期の作品からも現在の活動の一端が垣間見れるような気がしました。
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過去にも書いたように
荒川さんの作品は分かりにくいのですが、
それは荒川さんの表現しようとしていることが
言葉で表しにくいものだからだと思います。
でもこの分かりにくさゆえに、
逆に奇妙に記憶に残るような気もします。
一度もっともっとゆっくり作品を観てみたいような気がします。
荒川さんの頭の中を覗き見るような感覚でしょうか?
何か想像を超えた何かが、きっとあるような気がします。
そして、それは自分の頭の中を覗き見ることでもあるような気がします。
過去の荒川修作さん関連記事:http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-04-07
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-05-08
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「死なないための葬送 荒川修作初期作品」展 @国立国際美術館
2010/4/17-6/27
http://www.nmao.go.jp/japanese/b2_exhi_beginning_arakawa.html
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気が付くと本がいくつも出ていました。
いつか読んでみたいと思います。
三鷹天命反転住宅 ヘレン・ケラーのために―荒川修作+マドリン・ギンズの死に抗する建築
- 作者: 荒川 修作
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 2008/04
- メディア: 大型本
高松次郎「影」 @国立国際美術館 [20世紀美術(日本)]
高松次郎さんの「影」のシリーズが気に入っています。
影の絵の持つ程よい存在感が
とても心地よいです。
大阪の国立国際美術館で見つけました。
過去の関連記事:http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-01-08 (@名古屋)
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2005-12-07 (@横浜トリエンナーレ)
国立国際美術館のパブリックスペースには他にも
ミロの巨大な壁画とか
カルダーのモビールとか
須田悦弘さんのチューリップの木彫など
惹かれるものばかりでした。
国立国際美術館 http://www.nmao.go.jp/
http://www.nmao.go.jp/japanese/exhibitionarchive/1999/152/exhibition_no152.html
「靉嘔 AY-O 1950s-2010展」@茨城県つくば美術館 [20世紀美術(日本)]
靉嘔さんの回顧展に行ってきました。
1950年から2010年までの60年を回顧する展覧会です。
会期2日目には靉嘔さんのアーティストトークが開催される
ということで聴いてきました。
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靉嘔さんのお話と共に時代順に作品を見ていくことで、
「デモクラート」、「アクション・ペインティング」、「フルクサス」など
時代に影響されながら、
靉嘔さんが誰のものでもないオリジナルのアートを
試行錯誤しながら作り出してきたことが分かります。
そして、そのような試みが時代に影響を与えたことも。
試行錯誤の末には、
「レインボー」を用いた作品に辿りつきます。
一目で靉嘔さんとわかるオリジナリティの高い作品は
時代を超えたものと感じます。
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お話の中に「五感」というキーワードが出てきました。
フィンガーボックスに指を入れた時の驚き
レインボーを見たときの高揚感
靉嘔さんの作品は本当は単純で分かりやすいものではない気がしますが、
頭で考えるより先に五感に訴えてくるパワーを持っています。
この辺りが年齢や国籍を超えて愛され続ける魅力なのだと感じました。
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「靉嘔 AY-O 1950s-2010展」@茨城県つくば美術館
2010/4/23-5/23
http://www.tsukuba.museum.ibk.ed.jp/2010/2010ayo.html
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戦没画学生慰霊美術館「無言館」へ [20世紀美術(日本)]
前から行ってみたかった無言館に行ってきました。
戦場に散った若き画学生の作品を集めた美術館です。
戦争では多くの人が亡くなっています。
あまりにも多くの人のため、
その犠牲者の数だけに目がいってしまいますが、
実際には犠牲者の一人一人にドラマがあります。
そんなドラマの一つ一つを辿ることが
とても大事なことだと思います。
無言館に作品が展示された戦没画学生にも
一人一人にドラマがあります。
無言館では作品や遺品、館主の取材ノートを元に
いくつものドラマを辿ることができます。
展示作品の”無言の”語りかけが、
心に染み入ります。
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無言館は信濃デッサン館の分館として誕生しました。
信濃デッサン館は村山槐多、関根正二、松本竣介など
若く亡くなった作家の作品を集めた美術館です。
アメリカで活躍した野田英夫の作品もありました。
こういう個性のある美術館は好きです。
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無言館 http://www.city.ueda.nagano.jp/hp/kanko/museum/mugonkan.html
猪熊弦一郎「律動」@帝国劇場・ステンドグラス [20世紀美術(日本)]
先日、帝国劇場に行ったとき、
猪熊弦一郎さんの作品を発見しました。
「律動」という名前のステンドグラスです。
猪熊弦一郎さんは新しい試みを続けた画家ですが、
身近なところでは三越の包装紙のデザインをされています。
東京では上野駅の壁画が有名ですが、
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2007-12-17
帝国劇場のステンドグラスはうれしい発見でした。
過去の関連記事:http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2007-12-15
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2007-12-15-1