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「ブルーノ・タウト展」アルプス建築から桂離宮まで [建築]

桂離宮を<再評価>したといわれるブルーノ・タウト
桂離宮の簡素な美はよくモダニズムとして評価されているので、
ブルーノ・タウトの評価もこの文脈でのものかと思えば、
どうもそう簡単ではないようです。
タウト自身の代表建築もモダニズムより
色彩感覚にあふれた表現主義的なものが多いようですし。

では、ブルーノ・タウトは桂離宮のどこを評価したのか?
というのがなんとなく疑問だったのですが、
タウトのドローイング集「アルプス建築」を本展覧会で見て、
なんだか理解できた気がします。

「アルプス建築」はアルプスという自然のなかに、
うまく溶け込みながら人間が暮らすための都市計画が、
ドローイングとして描かれています。
この「アルプス建築」のようにタウトにとって
建築と自然との関係が重要な位置を占めていたようです。

タウトの桂離宮評価も日常生活と自然と建築の関係性に
理想をみたからではないかと思います。

 「生活そのものがもっとも簡素な形式を与える 自然は形式である」
                        - ブルーノ・タウト
 
 

ブルーノ・タウト―桂離宮とユートピア建築

ブルーノ・タウト―桂離宮とユートピア建築

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: オクターブ
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 大型本

ブルーノ・タウト展のカタログにはこんな言葉も

  自然に同調しようとする創造の思いが
  日本美を成しているということを、
  ブルーノ・タウトによって、わたしたちはあらためて強く知る
            - 深澤直人
 
  日向邸の部屋からは熱海の海が一望できる。
  「自然と人間」の関係性をもっとも重視する
  タウトの思想が現れている
            - 隈研吾

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「ブルーノ・タウト展」アルプス建築から桂離宮まで @ワタリウム美術館
2007 2/3-5/27
http://www.watarium.co.jp/exhibition/0702_taut.html

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ブルーノ・タウトの本はこれまで読んでいなかったのですが、
タウト自身の言葉が読んでみたくなりました。

ニッポン―ヨーロッパ人の眼で見た

ニッポン―ヨーロッパ人の眼で見た

  • 作者: ブルーノ・タウト
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1991/12
  • メディア: 文庫


日本文化私観―ヨーロッパ人の眼で見た

日本文化私観―ヨーロッパ人の眼で見た

  • 作者: ブルーノ・タウト, 森 【トシ】郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1992/10
  • メディア: 文庫


画帖桂離宮

画帖桂離宮

  • 作者: ブルーノ・タウト, 篠田 英雄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2004/11
  • メディア: 単行本

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本展覧会でのもう一つの発見は、
タウトが民芸の柳宗悦と友人関係だったこと。
手紙等が展示されていました。
2人の共通点を考えるのも楽しいかもしれません。


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コメント 4

Tytto

興味深いお話しですね〜。
『ニッポン―ヨーロッパ人の眼で見た』
この本↑気になります!
by Tytto (2007-06-02 19:35) 

mckee

「ニッポン」を書店で見つけたので買ってきました。
何か発見があるといいなと思います^^。
by mckee (2007-06-03 20:27) 

irie

私もタウト展に行き、「ニッポン」買いました。
ですが、肝心な桂離宮に行ったことがないので、
近いうち、是非とも訪れて確認したいと思っています。
by irie (2007-06-09 14:40) 

mckee

前から少し興味を持っていたのですが、
タウト展ではいろいろ知ることができてよかったです。

桂離宮はぼくもまだ行ったことがありません。
ぼくもタウトの感動を追体験してみたいです。
by mckee (2007-06-10 23:40) 

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