「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」 [海外美術]
若くして亡くなったモディリアーニと
夫の死を追って2日後に自殺した妻ジャンヌ
の作品を集めた展覧会です。
年代順にモディリアーニとジャンヌの作品が展示され、
ジャンヌがモディリアーニと出会い、
徐々に影響も受ける様子なども分かります。
2人の少し悲しい結末を知っているだけに、
幸せそうな時期の作品の印象も少し変わってみえます。
物語がなくても、
当然素敵な作品なんですが、
物語を知ることで、
いつもより印象深く作品を見ることができました。
夫の死後、自殺の直前にジャンヌが描いた作品は、、、
2人の物語と共にきっと忘れられません。
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「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」@Bunkamura ザ・ミュージアム
2007 4/7-6/3
その後、札幌、大阪、島根、山口に巡回
「藤森建築と路上観察」展 [建築]
藤森建築にはなつかしさを感じます。
子供時代に見た田舎の建築のような。。。
もちろん最新の技術を取り入れた
機能的な建築なんですが、
そう感じさせる理由は機能に混じって存在する
遊びのような部分かもしれません。
各地に作られた建築には、
土地で手に入れやすい材料を使った
各々の気候に合わせた機能的な技術が発達したりしますが、
そういった技術には遊びを感じさせる場合が多いです。
藤森さんの命名された<看板建築>の銅版張りにも
ちょうど似たような遊びを感じます。
藤森建築にも、そんな遊びを感じました。
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「藤森建築と路上観察」展@オペラシティ・アートギャラリー
2007/4/14-7/1
http://www.operacity.jp/ag/
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本城直季さんによる藤森建築の写真がいっぱいの本
読み応えのあるインタビュー集も
(本城直季さんの記事はこちら)
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2006-05-07-4
看板建築はこちら↓の本
ユニクロのポップアートTシャツ [20世紀美術(海外)]
03年のへリング、バスキアにはじまり、
04年にはウォーホル、リキテンスタインの両巨匠、
そしてクルーガーなどなど
ポップアートアーティストの作品を引用した
ユニクロのポップアートTシャツは、
ついつい買ってしまったものの、
当時はなんとなく着る機会がありませんでした。
街角で同じTシャツの方に出会ってしまうような気がして。
最近は安心して着ることができます。
今思うと、素敵な企画だったなと思います。
中にはいいデザインのものも含まれていたし、
特にバーバラ・クルーガーはメッセージも含めてお気に入りです。
1500円という値段も驚きです。
今年はジャパニーズ・ポップカルチャー企画があるので、
ポップアートはお休みなのでしょうか?
またやっていただけるとうれしいです。
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ポップアートといえば
昔はウォーホルやリキテンスタインしか知りませんでしたが、
彼らの活躍した60年代以降のアーティストも
見逃せないです。
少し前の本になりますが、
こちらの本で色々知りました。
また、ミスミアート・コレクションに基づく
「ポップ・アートin U.S.A」展でも
ウォーホルやリキテンスタイン以降の
ポップアートやその周辺のアーティストの作品を
見ることができます。
最近、茨城で開催されていましたが、
ぼくは東京で昨年観ました。
鳥取、東京、茨城と約1年おきに開催されているので、
またどこかできっと開催されるのではないかと思います。
「ブルーノ・タウト展」アルプス建築から桂離宮まで [建築]
桂離宮を<再評価>したといわれるブルーノ・タウト
桂離宮の簡素な美はよくモダニズムとして評価されているので、
ブルーノ・タウトの評価もこの文脈でのものかと思えば、
どうもそう簡単ではないようです。
タウト自身の代表建築もモダニズムより
色彩感覚にあふれた表現主義的なものが多いようですし。
では、ブルーノ・タウトは桂離宮のどこを評価したのか?
というのがなんとなく疑問だったのですが、
タウトのドローイング集「アルプス建築」を本展覧会で見て、
なんだか理解できた気がします。
「アルプス建築」はアルプスという自然のなかに、
うまく溶け込みながら人間が暮らすための都市計画が、
ドローイングとして描かれています。
この「アルプス建築」のようにタウトにとって
建築と自然との関係が重要な位置を占めていたようです。
タウトの桂離宮評価も日常生活と自然と建築の関係性に
理想をみたからではないかと思います。
「生活そのものがもっとも簡素な形式を与える 自然は形式である」
- ブルーノ・タウト
ブルーノ・タウト展のカタログにはこんな言葉も
自然に同調しようとする創造の思いが
日本美を成しているということを、
ブルーノ・タウトによって、わたしたちはあらためて強く知る
- 深澤直人
日向邸の部屋からは熱海の海が一望できる。
「自然と人間」の関係性をもっとも重視する
タウトの思想が現れている
- 隈研吾
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「ブルーノ・タウト展」アルプス建築から桂離宮まで @ワタリウム美術館
2007 2/3-5/27
http://www.watarium.co.jp/exhibition/0702_taut.html
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ブルーノ・タウトの本はこれまで読んでいなかったのですが、
タウト自身の言葉が読んでみたくなりました。
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本展覧会でのもう一つの発見は、
タウトが民芸の柳宗悦と友人関係だったこと。
手紙等が展示されていました。
2人の共通点を考えるのも楽しいかもしれません。