大阪日本民芸館 と 国立民族学博物館へ [民藝]
大阪の万博記念公園には
1970年の万博に「万博・日本民藝館」として
出展した施設が大阪日本民芸館として残っています。
ぼくが行ったときは
ちょうど万博当時の展示を再現した
「民藝の美」展が開催中でした。
万博関連施設の中でも
ここだけは時が止まったかのように
古さを感じさせない不変さを感じます。
大阪日本民芸館 http://www.mingeikan-osaka.or.jp/
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大阪日本民芸館の向かいには
国立民族学博物館(みんぱく)があり、
こちらにも行ってきました。
みんぱくは民芸館と同じく世界の日常品を展示する施設ですが、
その違いを考えてみると面白いと思います。
民芸館が柳宗悦の民藝運動を基にしているのに対して、
みんぱくは渋沢敬三の民具研究(アチックミュージアム)の収集品を
収蔵品の核の一つとして出発しました。
民芸は柳宗悦の審美眼にによって見出され取捨選択された工芸品ですが、
民具は取捨選択なく、むしろ、漏れなく収集された品々から
統一性を見出す民俗学的研究対象と言えそうです。
民俗学の柳田國男との議論を踏まえて柳宗悦がまとめた
「民藝」と「民具」の違いは
以下のように挙げられます。
「もの」と「こと」
「哲学(美学)」と「科学」
「規範学」と「記述学」
「価値学」と「経験学」
「かくあらねばならぬ」と「かくある」
「質」と「量」
「観る道」と「知る道」
これらの言葉を念頭に民芸館とみんぱくの双方を訪ねるのも
楽しいかもしれません。
国立民族学博物館 http://www.minpaku.ac.jp/
渋沢敬三のアチックミュージアム http://www.minpaku.ac.jp/special/200103/index.html
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民藝と民具の違いはこちら↓の本を参考にしました。
渋沢敬三とアチックミュージアムに関してはこちら↓の本が参考になります。
宮本常一と渋沢敬三に焦点をあてたノンフィクションです。
こちら↓は宮本常一の名著。
ここに登場する人はなぜか皆美しく感じます。
美しさは見た目だけじゃないんですね。
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