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法隆寺の仏像  [日本美術]

100516 法隆寺.JPG

法隆寺に行ってきました。
久々に仏像にも対面してきました。

法隆寺の仏像は飛鳥時代や白鳳時代など
時代的に古いものが多いです。

その後の奈良や平安、鎌倉時代の仏像に比べると
一見稚拙にも見えますが、
逆にその点が人間離れした崇高さを感じさせる気がします。

ちょうど、ルネッサンス以降の神々が
人間的に描かれることによってより親しみやすくなる一方で
崇高さを失ってしまったのに対して、
中世の絵画に描かれた神々が静かな崇高さを具えていたのに
似ていると思います。

法隆寺に行く前に見たNHKの美の壺で
飛鳥時代の仏像の紹介がありました。

それによると、
飛鳥時代の仏像は全身から神秘的な雰囲気が漂っていて、
それは「気」という目に見えないエネルギーを
表したものだということです。

自然ではない衣の襞の様子やポーズは
逆にその不自然さによって神秘的な雰囲気を獲得しています。

そう思って百済観音を見ると、
ジャコメッティの彫刻が思い出されます。
ジャコメッティの細長い彫刻には
その細長さとは裏腹に近寄りがたいオーラを感じますが、
百済観音の奇妙な細長さも崇高なオーラを感じさせます。


 法隆寺 http://www.horyuji.or.jp/

100516 百済観音.JPG

100516 法隆寺3.JPG

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ところで、
法隆寺に行くのは15年ぶりくらいで、2回目です。

最近新聞で奈良が地元の八嶋智人さんが

 「(奈良で)気に入った場所や仏像を見つけたら、
 ぜひ、2回訪ねてみてください。
 その場所や仏像とじっと向き合うと、
 1回目と2回目の自分の内面の変化に気づくはずです。」

と書かれていて、なるほどと思いました。

前回はまだ学生時代で、
梅原猛さんの「隠された十字架」を読んだばかりで、
隠された十字架探し(?)も兼ねた訪問でした。

法隆寺の仏像との久しぶりの出会いは、
確かに昔の自分との出会いでもあったような気がします。

今回は夢殿が開扉していたので、
救世観音とも1回目の対面ができました。
いつか2回目を訪ねないといけないですね。

100516 法隆寺2.JPG

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魅惑の仏像 釈迦三尊―奈良・法隆寺金堂 (めだかの本)

魅惑の仏像 釈迦三尊―奈良・法隆寺金堂 (めだかの本)

  • 作者: 小川 光三
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2001/01
  • メディア: 単行本




こちら↓が学生時代に読んだ本です。
推理小説的なおもしろさがある本で、
しばらく梅原さんの本にはまっていました。懐かしいです。


隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)

  • 作者: 梅原 猛
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1986/02
  • メディア: 文庫


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