余白の芸術 「李禹煥展」 [20世紀美術(日本)]
千住博さんと野地秩嘉さんの「ニューヨーク美術案内」を読むと、
ジャコメッティの頁で彫刻の見方として以下の視点が示されています。
「見る者が彫刻の周りにどれだけ深々とした空間を感じることができるか」
作品の周りに近寄りがたい空気の層があるか?ということです。
彫刻そのものでなく、彫刻の支配する空間をみるという視点が示されています。
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李禹煥(リ・ウファン)さんの彫刻・関係項シリーズは
石ころと鉄板が同時に置いてある彫刻シリーズですが、
やはり、作品の周りに近寄りがたい空気の層を感じます。
さらに自然石の背後にある大きな地球規模の歴史も感じることができそうです。
作品の本来のスケールを超えて感じる
大きな空間の広がりや時間の流れ
これが本展覧会のタイトルにも使われている”余白”のことなのかもしれません。
余白とは
空白のことではなく
行為と物と
空間が鮮やかに響き渡る
開かれた力の場だ。
理論派の李さんの言葉は難しいのですが、
作品の”余白”
感じることができたような気がします。
「関係項-暗示」
横浜美術館の前に展示されています。
過去の記事にもひっそり登場しています。
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-11-04-3
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-11-04-1
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「李禹煥 余白の芸術」展 @横浜美術館
2005 9/17-12/23
横浜美術館 http://www.yma.city.yokohama.jp/exhibition/2005/special/03_leeufan/index.html
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李禹煥さんの絵ハガキを少しずつ集めています。
横浜美術館では見かけなかったです。。。
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千住さんのご本、おもしろそうですね。読まなくちゃ。
トリエンナーレ会場に行く前に、李さんの展覧会も見てきました。
とても静かだけれど、熱い展示だったように思います。
李さんの息づかいを感じることができたかな?なんて思いました。
by ももこ (2005-12-18 14:04)
静かだけど、熱い。確かにそうですね。
自然の石と人口の鉄板の出会いは色々想像が広がりますね。
千住さんの本は気軽に読める本ですので、よろしかったら。
最近、影響受けているような気がします。
by mckee (2005-12-20 22:45)