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内藤礼「このことを」 @直島・家プロジェクト「きんざ」 [現代美術]

2回目の直島に行ってきました。
改めて訪れた理由の一つは新しく出来た李禹煥美術館に行くこと。
 http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2010-08-13
そして、もう一つは前回行き逃した内藤礼さんの作品に訪れることでした。


直島の本村港付近を舞台にした家プロジェクトのうち、
内藤礼さんの作品「このことを」は
15分間の時間指定で建物内に一人づつ入って鑑賞する作品です。

建物内は薄暗く、
建物下部の隙間から入るわずかな自然光を頼りに
作品と一人向き合います。

繊細な細工が床に配置されているのがまず眼に入りますが、
暗さに眼が慣れてくると、
建物の奥で細い糸がかすかに揺れているのに気づきます。

眼を上に上げると細い糸やビーズなどを
さらにいくつかの場所で見つけることができます。
一見何も無いようにみえる空間が、
実は繊細に作られた空間だということが分かります。

作品に身を置きながら、
水戸芸術館で体験したジェームズ・タレルの「ソフト・セル」
という作品を思い出しました。

「ソフト・セル」は遮光された無反響の小さな部屋に一人づつ入って、
約10分間闇を体験する作品です。
外界から完全に断絶された空間では、
鑑賞者はおのずと全身の感覚を研ぎ澄まされ、内省へと導かれます。

内藤さんの作品は完全な闇ではありませんが、
なぜかタレルの作品同様、内省へと導かれる気がしました。
繊細に作られた空間に包まれながら
最後は自分と向き合います。

100813 直島4.JPG

 過去の内藤礼さん関連記事:
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2007-12-21 (内藤礼「母型」展@発電所美術館)
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2010-04-11 (内藤礼展@神奈川県立近代美術館)

 家プロジェクト「きんざ」http://www.benesse-artsite.jp/arthouse/kinza.html


内藤礼〈母型〉 (神戸芸術工科大学レクチャーブックス 4)

内藤礼〈母型〉 (神戸芸術工科大学レクチャーブックス 4)

  • 作者: 内藤 礼
  • 出版社/メーカー: 左右社
  • 発売日: 2009/12/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:内藤礼
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