庭と彫刻的空間 「重森三玲の庭」展 [日本美術]
少し前に「重森三玲の庭」展を観に行った後、
確か岡本太郎が日本の中世の庭を褒めていたなと思って、
最近、岡本太郎の「日本の伝統」を読みました。
岡本太郎は予定調和的でこじんまりした芸術を嫌い、
縄文土器の持つ調和を超えた緊張感を賞賛しましたが、
中世の庭も岩、樹木、砂、苔などが、
調和を超えた緊張感ある空間を作り出しており、
その点に岡本太郎も惹かれたのだと思います。
彫刻が何かを模すだけでなく、
その周りにオーラのような彫刻的な空間を
意識してつくるようになったのは
アルプやムーア、ブランクーシなど20世紀になってからだと思いますが、
中世の庭の作り出す空間は
20世紀彫刻の作り出した彫刻的空間を先取りしていたように見えます。
庭に惹かれて庭にこだわった芸術家にイサム・ノグチがいます。
彫刻家である彼が多くの庭園を手がけているのは、
どちらも緊張感のある彫刻的空間づくりという点で、
共通項があったからなんだと思います。
イサム・ノグチのユネスコでの仕事で色々指導したのが重森三玲。
「重森三玲の庭」展で重森三玲の仕事をいろいろ見ましたが、
緊張感ある空間作りに圧倒されそうな気がしました。
でも、本物の庭を見にいかないと。
彫刻的空間という観点でも見直してみたいです。
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「重森三玲の庭」@松下電工 汐留ミュージアム
2006 10/7-12/10
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