「クリストとジャンヌ=クロード展」@21_21 DESIGN SIGHT [現代美術]
色んなものを包んでしまうアーティスト、
クリストとジャンヌ=クロード。
常にクリスト共にプロジェクト進めていたジャンヌ=クロードが
2009年11月18日に亡くなられました。
急な知らせにビックリした方も多いと思います。
ぼくもその一人です。
本展覧会はお二人と旧知の三宅一生さんにより急遽企画された
クリストとジャンヌ=クロードのこれまでのプロジェクトを
振り返る展覧会です。
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はじめは瓶や缶などの梱包から始まった彼らの梱包作品は
年を重ねるにつれ建物や橋、崖、島と
大掛かりなものになっていきます。
一時的で大掛かりなプロジェクトは
作品を作る過程の重要性や、作品が作られる場との関係性など
現代美術にとって重要なキーワードが
多く含まれているような気がします。
でも、クリストとジャンヌ=クロードが作品を作るにあたっては
そんなことをあまり気にしていないのかな、と
製作過程を収めた映像を見て思いました。
では、彼らを突き動かしたものは?
きっと”美”じゃないのかな、
と思いました。
何年もかけて大掛かり作品を完成させた時に
クリストによって発せられたのは、
やっと終わったという達成感より先に
”美しい”という言葉でした。
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莫大な資金を必要とする巨大プロジェクトは
寄付や援助を一切受けずに
クリスト自らが製作するドローイングやコラージュ
を売ったお金のみで捻出されます。
それは自分達の思う”美”を
だれにも邪魔されたくなかったからだと思います。
自分達の考える”美”への情熱。
このあたり、
同じく梱包作品を作製していた赤瀬川原平さんが
内側と外側を逆転した缶詰「宇宙の缶詰」により梱包作品を終焉させたように
よりコンセプチュアルな方向に進んでいったこととは
対照的な動きと感じます。
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クリストとジャンヌ=クロードの言葉
-私たちが創り出したいのは、ジョイ(喜び)と
ビューティー(美)の芸術作品です。-
お二人の”美”への情熱を秘めたプロジェクトは
現在も2つ進行中です。
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「クリストとジャンヌ=クロード展」@21_21 DESIGN SIGHT
2010/2/13-4/6
http://www.2121designsight.jp/candj/index.html
http://www.christojeanneclaude.net/
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ライフ=ワークス=プロジェクト―クリストとジャンヌ=クロード
- 作者: 柳 正彦
- 出版社/メーカー: 図書新聞
- 発売日: 2009/12
- メディア: 大型本
Christo And Jeanne-claude (Taschen Basic Art)
- 作者: Jacob Baal-Teshuva
- 出版社/メーカー: Taschen America Llc
- 発売日: 2002/01/29
- メディア: ペーパーバック
The Umbrellas: Japan/USA 1984-91 (Collector's Editions)
- 作者: Christo
- 出版社/メーカー: Taschen America Llc
- 発売日: 1999/07
- メディア: ハードカバー
Eye of Christo and Jeanne-Claude / druk 1
- 作者: W. Volz
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- 発売日: 2007/05
- メディア: Perfect
Christo and Jeanne-Claude: Over the River: Project for the Arkansas River, State of Colorado
- 作者: Simon Schama
- 出版社/メーカー: Taschen America Llc
- 発売日: 2008/08/28
- メディア: ハードカバー