岡倉天心をたずねて 五浦へ [日本美術]
前から気になっていた
茨城県の五浦に行ってきました。
五浦は岡倉天心が移り住んだ土地です。
六角堂にも辿りつきました。
岡倉天心が見たであろう景色と
聴いたであろう波の音。
タイムスリップした気分です。
近くには岡倉天心のお墓もあり、
お参りしてきました。
岡倉天心関連の過去の記事:http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-02-12-2
「阿修羅展」 [日本美術]
阿修羅展に行ってきました。
興福寺に伝わる八部衆像と
十六大弟子像が一挙に公開されています。
中でも阿修羅像の人気が高いですが
僕自身もやはり惹かれます。
三面六臂の異形の姿ですが、
八部衆像の中では唯一武装せず、
顔も人間らしいこともあり、
人間を超越した感じと親近感が
うまく共存しているように感じます。
合掌している姿というのも
惹かれる理由のような気がします。
今はほぼ完全な姿の阿修羅像ですが、
実はいくつかの腕は修復されています。
上に掲げた左手や合掌している右手は
よーく見ると新しくつけ直されたことが分かります。
元々どのような手の形をしていたか分からないなかで、
合掌の形に修復されたようです。
本来の姿がどのような形であれ、
合掌の姿に修復されることで、
阿修羅像に新たな魂が込められた
ような気がします。
この辺りも人気の理由だと思います。
BRUTUS (ブルータス) 2009年 4/15号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2009/04/01
- メディア: 雑誌
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ぼくの好きな「よりみちパンセ」シリーズから
鶴岡真弓さんの「阿修羅のジュエリー」が発売されました。
阿修羅像のジュエリーに着目することから始まるこの本は、
阿修羅像のジュエリーを出発点にして
アジアからヨーロッパへと駆け巡り、
「ユーロ=アジア世界」という太古から続く壮大な世界を提示してくれます。
阿修羅像のジュエリーが
ここまで壮大な世界に繋がっているとは、驚きです。
オリエンタリズムやジャポニズム、あるいは西洋化、、、
なんて言葉ができるずっとずっと前から
アジアとヨーロッパは大きな繋がりを持っていたんですね。
装飾というと本質ではないと捉えられがちですが、
装飾は昔から人間にとって切っても切れない関係のようで、
装飾に着目することで見えてくる世界はいっぱいあるようです。
阿修羅展では阿修羅のネックレスやブレスレットなどにも注目です。
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「阿修羅展」@東京国立博物館
2009/3/31-6/7
(八部衆像と十六大弟子像のうち3体は4/19までの展示)
http://www.asahi.com/ashura/
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白洲正子さんに導かれて 塩田平から別所へ [日本美術]
信州上田の市街地から西に行くと
塩田平と呼ばれる盆地が広がっています。
山麓には寺社がいくつか点在し、また別所温泉があります。
先日記事にした無言館もここにあります。
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2009-03-26
無言館とともに、寺社も巡ってきました。
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今回の旅は
白洲正子さんのエッセイに導かれて
行ってきました。
白洲さんのエッセイ「姥捨山の月」は
信州の旅を書いたものですが、
塩田平や別所も登場します。
白洲さんが惹かれただけあって、
立派な寺社がいくつもあります。
鎌倉時代に塩田北条氏が築いたものも多く、
”信州の鎌倉”という言葉をよく見かけました。
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独鈷山麓の前山寺は三重塔が目印です。
のどかな風景の中にとても立派な塔が建っていました。
前山寺に程近い同じく独鈷山の山裾には中禅寺があります。
そんな中禅寺には薬師堂が建っています。
白州さんも「こんな美しいお堂ははじめて」と書いていますが、
茅葺のお堂は周りの風景にもなじんで、とても美しいお堂でした。
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温泉の湧く別所には
安楽寺、常楽寺、北向観音の三つのお寺があります。
まずは北向観音を訪れました。
北向観音では通常南面する観音様が北向きに安置されています。
一般に善光寺の方角を向いていると言われていますが、
白州さんは別の説も披露しています。
北向観音からしばらく歩くと安楽寺があります。
安楽寺にはとても立派な八角三重塔がありました。
白州さんは「老杉のそびえる景色の中には、少々立派すぎる嫌いもない」
と書かれていますが、
珍しい八角の三重塔に出会えてとてもうれしかったです。
安楽寺からさらに歩くと常楽寺があります。
常楽寺には石造の大きな多宝塔があります。
背後の山に溶け込むように立つ多宝塔を見ながら、
本家鎌倉の風景を思い出しました。
よく考えてみるとどちらも盆地。
山に囲まれた場所はきっと特別な意味があったんでしょうね。
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白州さんのエッセイ「姥捨山の月」は
「十一面観音巡礼」に収録されています。
白州正子さんのエッセイは深い知識やそれに基づく洞察が
いっぱい詰め込まれていてとても読み応えがあります。
歴史や文学だけでなく、植物や風景なんかにも目を配っていたりして、
本当にすばらしい眼をお持ちだなと思います。
うらやましいです。
塩田平と呼ばれる盆地が広がっています。
山麓には寺社がいくつか点在し、また別所温泉があります。
先日記事にした無言館もここにあります。
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2009-03-26
無言館とともに、寺社も巡ってきました。
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今回の旅は
白洲正子さんのエッセイに導かれて
行ってきました。
白洲さんのエッセイ「姥捨山の月」は
信州の旅を書いたものですが、
塩田平や別所も登場します。
白洲さんが惹かれただけあって、
立派な寺社がいくつもあります。
鎌倉時代に塩田北条氏が築いたものも多く、
”信州の鎌倉”という言葉をよく見かけました。
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独鈷山麓の前山寺は三重塔が目印です。
のどかな風景の中にとても立派な塔が建っていました。
前山寺に程近い同じく独鈷山の山裾には中禅寺があります。
そんな中禅寺には薬師堂が建っています。
白州さんも「こんな美しいお堂ははじめて」と書いていますが、
茅葺のお堂は周りの風景にもなじんで、とても美しいお堂でした。
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温泉の湧く別所には
安楽寺、常楽寺、北向観音の三つのお寺があります。
まずは北向観音を訪れました。
北向観音では通常南面する観音様が北向きに安置されています。
一般に善光寺の方角を向いていると言われていますが、
白州さんは別の説も披露しています。
北向観音からしばらく歩くと安楽寺があります。
安楽寺にはとても立派な八角三重塔がありました。
白州さんは「老杉のそびえる景色の中には、少々立派すぎる嫌いもない」
と書かれていますが、
珍しい八角の三重塔に出会えてとてもうれしかったです。
安楽寺からさらに歩くと常楽寺があります。
常楽寺には石造の大きな多宝塔があります。
背後の山に溶け込むように立つ多宝塔を見ながら、
本家鎌倉の風景を思い出しました。
よく考えてみるとどちらも盆地。
山に囲まれた場所はきっと特別な意味があったんでしょうね。
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白州さんのエッセイ「姥捨山の月」は
「十一面観音巡礼」に収録されています。
白州正子さんのエッセイは深い知識やそれに基づく洞察が
いっぱい詰め込まれていてとても読み応えがあります。
歴史や文学だけでなく、植物や風景なんかにも目を配っていたりして、
本当にすばらしい眼をお持ちだなと思います。
うらやましいです。
重森三玲の庭 長野・北野美術館 [日本美術]
3月に重森三玲庭園美術館や東福寺に行ってきましたが、
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2008-03-16
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2008-03-17
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2008-03-19
今回は長野県に重森三玲さんの造った庭を見に行ってきました。
州浜の表現など重森三玲さんらしい庭でした。
庭のある北野美術館は
長野駅から長野電鉄に乗って行ってきました。
長野市街から少し離れたところにある美術館で、
行くのが大変だったのですが、
その分重森三玲の庭に出会えた感動も大きかったような気がします。
北野美術館:http://www.kitano-museum.or.jp/
http://www.kitano-museum.or.jp/information/index.html
「生誕100年 東山魁夷展」@長野県信濃美術館 東山魁夷館 [日本美術]
東山魁夷さんの生誕100年展が開催中の
長野県信濃美術館に行ってきました。
東京でも開催されていたのですが、
東山魁夷さんとも縁の在る長野県の信濃美術館に
旅行がてら行ってみることにしました。
こちらには東山魁夷館があって
一年中東山魁夷さんの作品を観ることができます。
ちなみに建物の設計は谷口吉生さんです。
風景を時に抽象画に見えるほど
シンプルに再構成した東山さんの作品は
従来の風景画とは異なった楽しみ方ができるように感じます。
同じく生誕100年展が開催中の秋野不矩さんと同様、
従来の線描が主体の日本画のカテゴリーだけでは捉えきれない
魅力を感じました。
異国の風景をよく描いている点もお二人の共通点です。
秋野不矩さんの記事:http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2008-06-22
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「生誕100年 東山魁夷展」@長野県信濃美術館 東山魁夷館
2008/7/12-8/31
http://higashiyama-kaii.com/index.html
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秋野不矩美術館へ [日本美術]
日本画家の秋野不矩さんの生誕100年記念展が開催中です。
関東近郊では鎌倉近代美術館の葉山館でも開催予定ですが、
せっかくなので浜松市(旧二俣町)の秋野不矩美術館に行ってきました。
秋野不矩美術館は藤森照信さんが秋野不矩さんの作品を
展示するための美術館として地元の天竜杉などを用いて設計したもので、
藤森さんの建築に興味があったのも行ってみた理由です。
秋野さんの作品をじっくり見るのは今回が初めてなのですが、
度々訪れたインドを描いた作品が印象に残ります。
インドの大自然、そして人々や暮らし
圧倒されるような風景をあざやかに描いた作品は
観る人の心にも響きます。
また、自然素材をふんだんに使った美術館は
秋野さんの作品をうまく引き立てているように感じました。
遠かったのですが、
行ってみてよかったです。
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「秋野不矩展」@秋野不矩美術館
2008/6/7-6/19(前記)7/2-7/27(後期)
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/lifeindex/enjoy/culture_art/akinofuku/
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ザ・藤森照信―総勢100名による徹底探究-歴史・設計・人間 (エクスナレッジムック―X-Knowledge HOME特別編集)
- 作者:
- 出版社/メーカー: エクスナレッジ
- 発売日: 2006/08
- メディア: 大型本
名品との出会い 「何必館拾遺展」@何必館・京都現代美術館 [日本美術]
芸術作品を観る時、
自分の目だけを信じて
純粋に作品そのものを見ることができればいいのですが、、、
なかなか難しいです。
無理せず誰かの眼を通して見てみると、
自分では気づかなかった新しい発見があったりします。
誰かの眼を通して美術品を見るには、
誰かの収集品を見るのがいいような気がします。
例えば白洲正子さんの収集品を見ると
これも”美”なんだ、といった発見が多くあります。
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何必館・京都現代美術館では
館長の梶川芳友さんが愛し集めた収集品が
展示されています。
現在開催中の「何必館拾遺展」では
特に思い入れのある品々が
作品にまつわる逸話と共に展示されています。
村上華岳、速水御舟、小林古径、入江波光、松本俊介、山口薫、
良寛、富本憲吉、加藤唐九郎、北大路魯山人、ジャコモ・マンズー、パウル・クレー
梶川芳友さんの眼を通して作品を見ることで、
多くの発見がありました。
純粋に作品そのものを鑑賞することも可能ですが、
作品の歩んできた歴史、梶川芳友さんとの出会いなど
ひとつひとつの逸話があることで、
作品にぐっと深みを感じます。
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「何必館拾遺展」@何必館・京都現代美術館
2008/3/1-4/13
http://www.kahitsukan.or.jp/frame.html
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↓本も発売されました。
神坂雪佳の図案 「海路」てぬぐい帳 [日本美術]
琳派の継承者として知られる神坂雪佳の図案に惹かれます。
中でも図案集「海路」は色数も少なくシンプルな図案なのに
様々な海の表情が表されていて見てて飽きません。
そんな神坂雪佳の図案「海路」をモチーフにデザインしたてぬぐいを
表紙として利用し製本されたノートを見つけました。
京都のアートショップ・ピエボ製です。
製本は御茶ノ水の美篶堂によるものです。
pievo http://www.artefactory.co.jp/html/shop/shop.html
美篶堂 http://www.misuzudo-b.com/index.html
細見美術館 アートキューブ・ショップ http://artcube-kyoto.co.jp/top.html
明治35年に多色木版摺による「染織圖案 海路」を発行した
芸艸堂(うんそうどう)は現在も京都で営業していますが、
芸艸堂からは「海路」の図案が手摺木版はがきとして発売されています。
とってもモダンです。
芸艸堂 http://winds-unsodo.shop-pro.jp/?mode=f3
http://www.unsodo.net/
Winds芸艸堂店長のブログ http://blog.winds-unsodo.shop-pro.jp/?eid=67219
↓そして芸艸堂からは「海路」の図案を集めた本も発売されています。
神坂雪佳 蝶千種・海路―近代図案コレクション (近代図案コレクション)
- 作者: 神坂 雪佳
- 出版社/メーカー: 芸艸堂
- 発売日: 2003/09
- メディア: 大型本
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神坂雪佳は「百々世草」のシリーズも人気です。
同じく芸艸堂製の絵はがきです。
神坂雪佳 百々世草―近代図案コレクション (近代図案コレクション)
- 作者: 神坂 雪佳
- 出版社/メーカー: 芸艸堂
- 発売日: 2003/09
- メディア: 大型本
伊藤若冲の石仏 京都・石峰寺 [日本美術]
江戸の画家・伊藤若冲が晩年過ごしたお寺が
伏見稲荷の近くにあります。
石峰寺です。
石仏を造りながらの
悠々自適な生活を送っていたようで、
お寺の裏山には多くの石仏が残されています。
若冲らしく表情豊かな石仏に出会えます。
過去の伊藤若冲関連記事:http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-03-11
↓伊藤若冲といえばこちらの本がおススメです
伏見稲荷の近くにあります。
石峰寺です。
石仏を造りながらの
悠々自適な生活を送っていたようで、
お寺の裏山には多くの石仏が残されています。
若冲らしく表情豊かな石仏に出会えます。
過去の伊藤若冲関連記事:http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2006-03-11
BRUTUS (ブルータス) 2006年 8/15号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2006/08/01
- メディア: 雑誌
↓伊藤若冲といえばこちらの本がおススメです
重森三玲の庭 霊雲院・光明院・芬陀院 [日本美術]
重森三玲庭園美術館を訪れた翌日、
東福寺方丈八相庭園に行ってきましたが、
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2008-03-16
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2008-03-17
東福寺の塔頭の中にも重森三玲さんの庭があるので、
拝観してきました。
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霊雲院には
重森三玲さんが江戸時代の庭を復元した「九海八山の庭」と
新たに作庭した「臥雲庭」があります。
中央に須弥山を配した九海八山の庭
流れる雲が表現された臥雲庭
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光明寺には東福寺八相庭と同時期に作庭された波心庭があります。
奥の三尊石組から放射状に石を配置されているので、
どこから見てもすばらしい空間に出会えます。
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雪舟作と伝えられる庭で芬陀院ですが、
重森三玲さんによる修復がなされています。
鶴亀庭と呼ばれる南庭は雪舟作と伝えられています。
右が亀島左が鶴島です。
東側の庭は重森三玲さんにより新規作庭されました。
茶室からみると石組みに深い奥行きが生まれます。
東福寺方丈八相庭園に行ってきましたが、
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2008-03-16
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2008-03-17
東福寺の塔頭の中にも重森三玲さんの庭があるので、
拝観してきました。
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霊雲院には
重森三玲さんが江戸時代の庭を復元した「九海八山の庭」と
新たに作庭した「臥雲庭」があります。
中央に須弥山を配した九海八山の庭
流れる雲が表現された臥雲庭
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光明寺には東福寺八相庭と同時期に作庭された波心庭があります。
奥の三尊石組から放射状に石を配置されているので、
どこから見てもすばらしい空間に出会えます。
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雪舟作と伝えられる庭で芬陀院ですが、
重森三玲さんによる修復がなされています。
鶴亀庭と呼ばれる南庭は雪舟作と伝えられています。
右が亀島左が鶴島です。
東側の庭は重森三玲さんにより新規作庭されました。
茶室からみると石組みに深い奥行きが生まれます。