加納容子「のれん」プロジェクト@直島 [現代美術]
アートの展示方法の中でも、
比較的広いエリアに作品を点在させる方法は、
鑑賞する側にとっては非効率的ですが、
作品をたどる過程で展示された場所も同時に鑑賞できると思えば、
プラスの効果も十分ありそうです。
直島スタンダード展と呼ばれるプロジェクトも
直島中に作品を分散して展示するもので、
上記のような展示の先駆け的な存在かなと思います。
直島スタンダードはこれまで2回開催されているのですが、
残念ながら行ったことがありません。
ただ、家プロジェクトなどの主要な作品は残っていて、
街を巡りながら見ることができます。
また、家プロジェクト以外にもいくつかの作品が残っていて、
例えば直島スタンダードの第1回目で行われた
加納容子さんの「のれん」プロジェクトもその一つです。
「のれん」プロジェクトは
各家の屋号や歴史などを元にデザインされたのれんを
家々の玄関口に掛けるプロジェクトですが、
スタンダード展終了後も掛けてくださる家が多いようで、
街を歩いていると目に留まります。
そんなのれんに導かれながら街そのものを鑑賞するのも、
また楽しいです。
スタンダード展 http://www.naoshima-is.co.jp/archive/standard/content.html
スタンダード2展 http://www.museum.or.jp/announce/20061006/index.html#report
杉本博司「タイム・エクスポーズド」@直島 [写真]
直島には杉本博司さんの作品がいくつかあって、
Seascapesシリーズも意外な場所に展示されていました。
杉本博司さんのSeascapesシリーズは
水平線で2分された海と空だけを撮影した写真です。
「古代人の見た風景を、現代の人間が同じように見ることは可能か」
との杉本さんの言葉どおり、
その他の要素を一切排除した風景は、
国境だけでなく時間も越えた普遍的な風景です。
ミニマルなのに、というよりミニマルだからこそ
広がりを感じる作品です。
杉本さんによる家プロジェクト・護王神社を見学した際、
墳墓である石室から出てきた時、
最初に見えた風景もSeascapesと同じ風景でした。
なんだか深いです。
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過去の杉本博司さん関 連記事:
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-10-15
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2006-12-13