法隆寺の仏像 [日本美術]
法隆寺に行ってきました。
久々に仏像にも対面してきました。
法隆寺の仏像は飛鳥時代や白鳳時代など
時代的に古いものが多いです。
その後の奈良や平安、鎌倉時代の仏像に比べると
一見稚拙にも見えますが、
逆にその点が人間離れした崇高さを感じさせる気がします。
ちょうど、ルネッサンス以降の神々が
人間的に描かれることによってより親しみやすくなる一方で
崇高さを失ってしまったのに対して、
中世の絵画に描かれた神々が静かな崇高さを具えていたのに
似ていると思います。
法隆寺に行く前に見たNHKの美の壺で
飛鳥時代の仏像の紹介がありました。
それによると、
飛鳥時代の仏像は全身から神秘的な雰囲気が漂っていて、
それは「気」という目に見えないエネルギーを
表したものだということです。
自然ではない衣の襞の様子やポーズは
逆にその不自然さによって神秘的な雰囲気を獲得しています。
そう思って百済観音を見ると、
ジャコメッティの彫刻が思い出されます。
ジャコメッティの細長い彫刻には
その細長さとは裏腹に近寄りがたいオーラを感じますが、
百済観音の奇妙な細長さも崇高なオーラを感じさせます。
法隆寺 http://www.horyuji.or.jp/
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ところで、
法隆寺に行くのは15年ぶりくらいで、2回目です。
最近新聞で奈良が地元の八嶋智人さんが
「(奈良で)気に入った場所や仏像を見つけたら、
ぜひ、2回訪ねてみてください。
その場所や仏像とじっと向き合うと、
1回目と2回目の自分の内面の変化に気づくはずです。」
と書かれていて、なるほどと思いました。
前回はまだ学生時代で、
梅原猛さんの「隠された十字架」を読んだばかりで、
隠された十字架探し(?)も兼ねた訪問でした。
法隆寺の仏像との久しぶりの出会いは、
確かに昔の自分との出会いでもあったような気がします。
今回は夢殿が開扉していたので、
救世観音とも1回目の対面ができました。
いつか2回目を訪ねないといけないですね。
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こちら↓が学生時代に読んだ本です。
推理小説的なおもしろさがある本で、
しばらく梅原さんの本にはまっていました。懐かしいです。
大阪旅行の手引き 「大阪のぞき」 [旅]
以前にも書いたように
旅に出るときは個人で書かれた案内本が気になります。
鳥取旅行の際には「来鳥手帖」が来鳥の手引きとなりました。
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2008-02-16
京都旅行では「京都のこころ A to Z」が上洛の手引きとなりました。
http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2008-03-23
そして、
今回の大阪旅行では「京都のこころ A to Z」と同じく
木村衣有子さんによる「大阪のぞき」が手引きとなりました。
定番から知る人ぞ知るものまで
木村さんの視点で大阪が幅広く紹介されていて
参考になります。
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木村衣有子さんの「京都のこころ A to Z」が
文庫本になりました!
京都のこころAtoZ―舞姑さんから喫茶店まで (ポプラ文庫)
- 作者: 木村 衣有子
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2009/10/10
- メディア: 文庫
木村さんは東京についても本を書かれています。
こちらの本も色々と発見があります。