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Dia:Beaconへ [20世紀美術(海外)]

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今回のニューヨーク旅行では、
ディア・ビーコンにも行ってきました。

ニューヨークのマンハッタンから
メトロ・ノース鉄道のハドソン・ラインに乗って
ハドソン川沿いに1時間ほど北上するとビーコン駅に到着します。

ビーコン駅から10分ほど歩くと
ディア・ビーコンが現れます。

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ディア・ビーコンは元々お菓子(ナビスコ)のパッケージ工場を利用し、
ディア芸術財団の常設コレクションを展示する美術館です。

リチャード・セラ、ドナルド・ジャッド、ウォルター・デ・マリア、ソル・ルウィットなど
ミニマリズムやコンセプチュアル・アートを中心とした
名だたるアーティストの作品が並びます。

広大な建物を活かして比較的大規模な作品が展示されており、
他の美術館では味わえない空間が味わえます。

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前々から行きたかったのですが、
念願かなって行くことができました。

写真撮影が禁止なので、
写真でお伝えすることができないのですが、
小旅行をしてでも訪れる価値があると思います。


 DIA ART FOUNDATION http://www.diaart.org/sites/main/beacon


今回の旅行ではこのディア・ビーコンとガゴシアン・ギャラリーで
リチャード・セラさんの作品に多く出会えたのがうれしかったことです。
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2013-12-09 (リチャード・セラ@ガゴシアン)
↓これはディア財団発行のリチャード・セラさんの本で、記念に購入してきました。


Richard Serra: Torqued Ellipses : Dia Center for the Arts, New York

Richard Serra: Torqued Ellipses : Dia Center for the Arts, New York

  • 作者: Richard Serra
  • 出版社/メーカー: Dia Art Foundation
  • 発売日: 1999/02
  • メディア: ペーパーバック




Dia, the Collection in Beacon

Dia, the Collection in Beacon

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Dia Art Foundation
  • 発売日: 2003/07
  • メディア: ハードカバー




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エルスワース・ケリー「Spectrum V」@NYC・メトロポリタン美術館 [20世紀美術(海外)]

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 Ellsworth Kelly「spectrum V」

エルスワース・ケリーさんは1923年生まれなので、今年で90歳です。

アメリカではいくつかの美術館で
エルスワース・ケリー関連の特別展が開催されていたようです。

ぼくがアメリカを訪れたときは
終わってしまっていたものも多かったのですが、
フィラデルフィア美術館やワシントン・ナショナル・ギャラリーで
特別展が開催されていました。
また常設展などでもエルスワース・ケリーさんの作品を
いくつか見ることができました。

メトロポリタン美術館で
横幅20mの壁を独占して展示されるこの作品は
エルスワース・ケリーさんの作品の中でも
美しさが際立つ作品だと思います。


METROPOLITAN MUSEUM OF ART http://www.metmuseum.org/
New York Timesの記事↓
http://www.nytimes.com/2013/04/26/arts/design/ellsworth-kelly-at-90-galleries-celebrate-his-birthday.html?adxnnl=1&adxnnlx=1386245405-XM2Xo3ft8pkZ+OdCBpNZRg


Ellsworth Kelly.

Ellsworth Kelly.

  • 作者: Ellsworth Kelly
  • 出版社/メーカー: Harry N Abrams
  • 発売日: 1973/09
  • メディア: ハードカバー



エルスワース・ケリー「Spectrum V」は↓この雑誌でも紹介されていました。
この本はニューヨークの美術館が多数紹介されていて、
今回の旅行でも大変役に立ちました。


芸術新潮 2007年 09月号 [雑誌]

芸術新潮 2007年 09月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/08/25
  • メディア: 雑誌



タグ:Ellsworth Kelly
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ダリ劇場美術館@フィゲラスへ [20世紀美術(海外)]

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スペイン旅行ではダリ劇場美術館にも行ってきました。

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美術館はバルセロナから電車で1時間半ほどの街、
フィゲラスにあります。

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フィゲラスはダリが生まれ暮らした街です。
そのフィゲラスにあった市立劇場を改築して、
ダリ劇場美術館は生まれました。

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美術館には
ダリの描く超現実主義の世界が再現されたかのような、
不思議な空間が広がっていました。

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また、
ガラ夫人への愛にも満ち溢れていました。

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晩年、ダリ自身が暮らした美術館の
メインホールの地下には、
遺言によりダリが埋葬されています。

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 ダリ劇場美術館 http://www.salvador-dali.org/en_index.html


美の旅人 スペイン編 2 (小学館文庫)

美の旅人 スペイン編 2 (小学館文庫)

  • 作者: 伊集院 静
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/12/04
  • メディア: 文庫



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ピカソ美術館@バルセロナへ [20世紀美術(海外)]

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バルセロナではピカソ美術館にも行ってきました。

バルセロナの街は古代ローマ遺跡も残るほど歴史がありますが、
ピカソ美術館は比較的歴史の古い旧市街のゴシック地区にあり、
中世に建てられた邸宅を改築して美術館として利用しています。

バルセロナはピカソが1895-1904年に暮らした街でもあります。

美術館にはバルセロナ時代の作品と、
バルセロナ以前の青年時代の作品が充実しています。

ピカソはバルセロナ時代のの途中1901年にパリに滞在していますが、
パリ滞在前後で作風が大きく変わるのも分かります。
青の時代の作品はパリ滞在後のバルセロナで生まれました。

また、バルセロナのピカソ美術館は
ベラスケスの「ラス・メニーナス」を題材とした
連作58点が全て収蔵されていて、
大きな見どころとなっています。

連作全てを一度に見ることで、
ピカソが「ラス・メニーナス」を自由に壊し再構築を行った過程を
感じ取ることができるような気がします。


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 バルセロナ・ピカソ美術館 http://www.museupicasso.bcn.es/

 関連記事:
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-18 (クアトラ・ガッツ@バルセロナ)
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-13 (ピカソの壁画@バルセロナ)
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-12-14 (ゲルニカ製作過程)
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-02-14 (ピカソの屋外彫刻@パリ)

↓「ラス・メニーナス」に限らず、ピカソは様々な画家の作品を題材としました

ピカソ 剽窃の論理 (ちくま学芸文庫)

ピカソ 剽窃の論理 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 高階 秀爾
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/01
  • メディア: 文庫



↓ピカソを巡る旅の必携本です

Pen (ペン) 2008年 10/15号 [雑誌]

Pen (ペン) 2008年 10/15号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2008/10/01
  • メディア: 雑誌



タグ:Pablo Picasso
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クアトロ・ガッツ@バルセロナへ [20世紀美術(海外)]

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バルセロナでは「クアトロ・ガッツ」に行ってきました。

パブロ・ピカソが
バルセロナで初の本格的な個展を開いた
「4匹の猫」という意味のカフェ「クアトラ・ガッツ」は、
当時の芸術家達の溜り場だったようです。

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1903年に閉店しましたが、
時を経て1970年代後半に地中海料理店として再オープンして
現在に至ります。

今は芸術家達の溜り場ではありませんが、
ピカソの描いたメニューの表紙が使われるなど
内装を含め当時を偲ばせる雰囲気が再現されています。

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「クアトラ・ガッツ」の入っている建物は、
実はプッチ・イ・カダファルクの設計で、
建物自体も魅力のひとつになっています。

カダフォルクはガウディ、モンタネールと並んで
モデルニスモ建築の3巨匠と呼ばれる建築家です。

細部まで細かく施された装飾が素敵です。

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店員の方の対応もよく、料理をおいしくいただくことができました。

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ラモン・カサスの描いた2人乗り自転車の絵は
店のシンボル的な存在で、
レプリカが店内に飾られるとともに、
ランチョンマットやカップにも使われていました。

ラモン・カサスは今回の旅行ではじめて知ったのですが、
当時の代表的な画家の一人です。
カタルーニャ美術館に2人乗り自転車の絵の本物を含め、
多くの作品が展示されていました。


 4 Gats http://www.4gats.com/

 過去の関連記事:
   http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-03-31 (カダフォルク設計Caixa Forum Barcelona)
   http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-03 (カタルーニャ美術館@バルセロナ)


Picasso and Els 4 Gats: The Early Years in Turn-Of-The-Century Barcelona

Picasso and Els 4 Gats: The Early Years in Turn-Of-The-Century Barcelona

  • 作者: Pablo Picasso
  • 出版社/メーカー: Bulfinch Pr
  • 発売日: 1996/09
  • メディア: ハードカバー



タグ:Pablo Picasso
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ピカソの壁画@バルセロナ・カタルーニャ建築協会 [20世紀美術(海外)]

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バルセロナの街角に建つカタルーニャ建築協会の壁画は
ピカソが描いたものでした。

バルセロナの伝統的な祭りに登場する巨人ジャガンツ、人間の塔カステルス、
カタルーニャの民族舞踏サルダーナスなどが描かれています。


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  カタルーニャ建築協会 http://www.coac.net/home/frames/fhomeINSTITUCIO.htm


Pen (ペン) 2008年 10/15号 [雑誌]

Pen (ペン) 2008年 10/15号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2008/10/01
  • メディア: 雑誌



タグ:Pablo Picasso
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ミロ美術館@バルセロナへ [20世紀美術(海外)]

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バルセロナではミロ美術館にも行ってきました。

運よく「THE LADDER OF ESCAPE」と題する
大規模な展覧会が開催中で、
ミロ美術館以外の美術館が収蔵する作品も含め
代表的なジョアン・ミロの作品を多く観ることができました。

 ジョアン・ミロ財団 http://www.fundaciomiro-bcn.org/

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ミロ美術館で買ってきたガイドブックに
ミロのバイオグラフィーなどに並んで
ミロの関連書籍集が年代順に載っているのですが、

その一番最初の欄に
 『1940年 瀧口修造「ミロ」東京・アトリヱ社』
とあります。

有名な話なのかもしれませんが、
1940年に刊行された瀧口修造さんの小さな画集も兼ねたミロ論の本が
実は世界で最初のミロに関する単行本なのだそうです。

1966年に初来日したミロがそのことに気がついて以来、
ミロと瀧口修造さんの交友が始まったようです。

瀧口修造さんの収蔵品を集めた
「瀧口修造 夢の漂流物」展(2005年)では、
競作した作品やプレゼントの瓢箪、
瀧口修造さんへのミロの追悼の手紙など
ミロとの交友を物語る品々が展示されていました。

以下は瀧口修造さんによるミロ評です。

 田舎から出てきそうな実直そうな人物、
 近代絵画にまったく未知の原型を創造し、
 しかも夜明けのように爽やかなリリシズムの半面に、
 激しい黒いユーモアと怒りをさえ内在している
 ジョアン・ミロという画家その人、
 その長い営みとそのような絵画の形成そのものに
 私は畏敬と親しみを同時に感じている


作品の評価の奥にミロという人物への評価が見えます。


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 過去の関連記事:
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2005-02-27-2 (瀧口修造 夢の漂流物展)
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06 (ミロとカルダー)
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-01-15 (ミロのモザイク@バルセロナ)
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2012-01-14-1 (ミロの屋外彫刻@バルセロナ)
  http://mckeee.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02-1 (ミロの屋外彫刻@パリ・新凱旋門)


現代世界美術全集〈18〉エルンスト,ミロ (1972年) 愛蔵普及版

現代世界美術全集〈18〉エルンスト,ミロ (1972年) 愛蔵普及版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1972
  • メディア: -



タグ:Joan Miró
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ドラ・マール「ゲルニカ製作過程」@マドリッド・ソフィア王妃芸術センター [20世紀美術(海外)]

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マドリッドのソフィア王妃芸術センターで
もっとも有名な作品は
おそらくパブロ・ピカソの「ゲルニカ」です。

ぼくが訪ねたときも
「ゲルニカ」の展示室には
特に多くの人が訪れていました。

あえて白黒の作品というのが
「ゲルニカ」が20世紀の記念碑的作品となっている
要因の一つと感じました。


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「ゲルニカ」の展示室には
ドラ・マールによる「ゲルニカ」の製作過程を撮影した写真が
展示されていました。

「ゲルニカ」同様にとても惹きつけられました。

撮影したドラ・マールは
当時ピカソと愛人関係にあった写真家で
ピカソの作品のモデルにもなっている方です。

ミュージアム・ショップにポスト・カードが売られていたので
買ってきました。

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 ソフィア王妃芸術センター http://www.museoreinasofia.es/index.html


ピカソの戦争 《ゲルニカ》の真実

ピカソの戦争 《ゲルニカ》の真実

  • 作者: ラッセル・マーティン
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2003/12/11
  • メディア: 単行本



タグ:Pablo Picasso
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「森と芸術」展 @東京都庭園美術館 [20世紀美術(海外)]

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東京都庭園美術館で開催中の
「森と芸術」展に行ってきました。

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はるか昔、人間は森に住み、森の恵みを糧に暮らしていました。
この時代、恵みを与えてくれる森には神々が存在していました。
ギリシャ神話にはサテュロスやニンフのように森の精霊が多く登場しますし、
その他にも大地母神としての森の神々が登場する神話が各地に残っています。

その後、人間は森を離れ「文明」を築くようになります。
この頃、アダムとイヴは森という「楽園」(エデンの園)を追われ、
神は唯一神として森ではなく天に存在するようになります。

ただ、「文明」を築いてからも人間は森や自然に郷愁や憧れを抱き続けてきました。
聖書の世界が中心だった西洋美術は
ルネサンス以降、ボッティチェリの「春」や「ヴィーナスの誕生」のように
ギリシャ等の神話・伝説に拠った美術が見られるようになります。
そして、神話の舞台となる森も多く描かれるようになり
クロード・ロランにはじまる風景画が登場しはじめます。

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19世紀、工業化がすすむ街は都会化し、
都会人は森や自然への郷愁や憧れをよりいっそう強く持ちはじめます。
このような時代を背景に、コローらバルビゾン派の画家たちは、
フォンティーヌブローの森を写実的に描きつづけました。
この動きはその後の印象派に引き継がれます。

19世紀末のアール・ヌーヴォーにも自然は多く登場します。
写実的というより象徴的に自然を捉えるアール・ヌーヴォーの手法は
ジャポニズムのような非西洋的な自然観の影響が指摘されていますが、
ケルトのような昔々の西洋の自然観の復活と見ることもできます。
この頃、ゴーギャンやセルジェ、ドニら後のナビ派に連なる画家達は
ケルトの伝統が多く残るブルターニュ半島に拠点を置き、
森や自然を象徴的に描きました。
このような動きはその後の象徴主義やシュルレアリズムにつながっていきます。

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ところで、日本でも
はるか昔、人間は森に住み、森の恵みを糧に暮らしていました。
この時代の宗教はアニミズムにもとづく自然信仰です。

現在でも比較的多く森の残る日本ですが、
弥生時代に森を離れて農耕を始めて以降は
森を拠点に狩猟や採取を続けた時代に比べて
森の存在は希薄になっていきます。

しかしながら、農耕をはじめてからも、
人間は心の深層部分に森や自然に対する信仰や畏敬の気持ちを抱き続けてきました。
これはいくら抑えようと思っても抑えられない気持ちのようで、
特に祭りのような特別な場面で顔を出します。

岡本太郎は東北を旅する中で
森を拠点に狩猟や採取を続けた縄文人のちょうど縄文土器のような激しい生命力あふれる姿が
現代の東北の日常に顔を出すのを多く発見し夢中で写真を撮り続けました。

人間は森から離れながら、
森を必要とし続けたようです。
これはきっと自然への信仰や畏敬の念が
心の片隅というよりもっと深い部分に隠れた土台として存在するためで、
岡本太郎はそんな心の深層部分に誰よりも早く気付いた人でした。

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本展覧会は上記のような壮大な森と人間をめぐる物語を
芸術を通して巡る展覧会です。

企画監修は巌谷國士さんです。
有名な目玉作品に頼るというより企画力でみせる展覧会で、
個人的にはこういう展覧会にはすごく惹かれます。

看板や図録の表紙にも使用されている
ナビ派のセルジュが描いた「ブルターニュのアンヌ女公への礼讃」は
若い騎士がアンヌ女公に若木を捧げているところが描かれた作品です。
西洋の根っこにあるケルトの自然信仰を描いたこの作品は、
巌谷國士さんも書かれているように、あまり知られていませんが、
とても心が動かされるような作品です。

心が動かされるのは
普段はあまり意識しなくとも心の深層部分にある自然への信仰や畏敬の念が
作品と共鳴しているからのような気がします。

本展覧会は上記作品のようにただ単に美しいだけではなく
心が動かされるような作品に多く出会える展覧会でした。
企画の力も相まって記憶に残る展覧会となりそうです。

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「森と芸術」展 @東京都庭園美術館
2011/4/16-7/3
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/mori/index.html
(その後、福井と北海道に巡回します)
-----------------------------------


森と芸術

森と芸術

  • 作者: 巖谷 國士
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2011/04/21
  • メディア: 単行本



↓もお勧めです。本展覧会の内容に通ずるものが多くあります。


岡本太郎の見た日本

岡本太郎の見た日本

  • 作者: 赤坂 憲雄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/06/26
  • メディア: 単行本



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アンドレ・ブルトンのアトリエ@パリ・ポンピドゥセンター [20世紀美術(海外)]

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「パリ、フォンテーヌ通り、アンドレ・ブルトンのアトリエ壁面の再構成」

「シュルレアリスム宣言」によって
シュルレアリスムを創始したアンドレ・ブルトンのアトリエには
彼の収集したシュルレアリストの作品、名もなきオブジェ、アフリカのお面などが
渾然と、それでいて几帳面に並べられていました。

1966年にアンドレ・ブルトンが亡くなって以来、
2003年まではそのまま保存されていたようですが、
その後はオークションにかけられ、
残念ながら現在は残っていません。

パリのポンピドゥセンタの常設展には
アンドレ・ブルトンのアトリエの壁面の一部が
国がそっくり買い取って再現されていました。

アンドレ・ブルトンの文章は難しいのですが、
このアトリエには一目で惹きつけられる魅力があります。

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Centre Pompidou http://www.cnac-gp.fr/

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国立新美術館で開催中のシュルレアリスム展に先日行ってきたのですが、
2003年以前にアンドレ・ブルトンのアトリエを撮影した映像
「野生状態の眼 アンドレ・ブルトンのアトリエ」が
休憩室で流されていました。

アトリエに実際に行った気分になれる映像で、
再現では分からない元々のアトリエの持つ雰囲気が伝わってきました。
見飽きないです。

シュルレアリスム展に行かれた際はぜひご覧ください。

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「シュルレアリスム展」@国立新美術館
2011/2/9-5/9
http://www.sur2011.jp/
-----------------------------------


シュルレアリスム宣言・溶ける魚 (岩波文庫)

シュルレアリスム宣言・溶ける魚 (岩波文庫)

  • 作者: アンドレ ブルトン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1992/06/16
  • メディア: 文庫



超現実主義宣言 (中公文庫)

超現実主義宣言 (中公文庫)

  • 作者: アンドレ ブルトン
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1999/09
  • メディア: 文庫



↓パリ旅行の参考になります。ポンピドゥセンタのアンドレ・ブルトンの壁面の記事もあります。


ペンブックス パリ美術館マップ (Pen BOOKS 2)

ペンブックス パリ美術館マップ (Pen BOOKS 2)

  • 作者: ペン編集部
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2009/07/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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