ボクシング・ペインティング 「篠原有司男」展 [20世紀美術(日本)]
絵を「描く」のと「塗る」のは違うようです。
たとえばゴッホは「描く」作家のようで、
1本1本の線を描くことで画面を構成しています。
その執拗に描かれた線になにか情熱のようなものを感じます。
もしもゴッホが「塗る」作家だったら、、、
印象はずいぶんと違ったものになっていたと思います。
もう少しクールな感じ?
篠原有司男さんのボクシング・ペインティングは、
グローブの墨汁を両腕から繰り出すパンチで大画面に叩きつけた作品です。
秩序だってもなく、まったくの無秩序でもなく、
その時のリズム、スピードで繰り出されたパンチの痕跡。
そこから透けて見える印象は、、、
ゴッホの執拗に描かれた線と同様熱い感じです。
機械的なクールさとは程遠い熱気。
そう思って篠原有司男さんの絵画作品を見てみると、
ゴッホ同様執拗に描き、塗っている部分の少なさに気づきます。
表現方法としては一見アクション・ペインティングに近い気がしますが、
案外ゴッホに近いのかもしれないなぁと思いました。
日本のゴッホといえば棟方志功さんなんかもいますが、
やっぱり表現方法は全然違うんですが、
どこかゴッホに近いものを感じます。
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「篠原有司男 ボクシング・ペインティングとオートバイ彫刻」展 @神奈川県立近代美術館
2005 9/17-11/6
神奈川県立近代美術館 http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/ http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2005/shinohara/index.html
篠原有司男HP http://www.new-york-art.com/shinohara/
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ゴッホを「描く」作家と教えてくれたのはこちらの本です。
いろいろ教えられることの多い本でした。
イサム・ノグチ 「PYLON」@原美術館 [イサム・ノグチ]
品川の原美術館の庭にあるイサム・ノグチ作「PYLON」です。
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やなぎみわさんの展覧会を観にいってきたのですが、
原美術館は企画展以外に常設展示作品も充実しています。
庭にはイサム・ノグチの「PYLON」の他に
ソル・ルウィットや李禹煥さんなどの作品もありました。
李禹煥「関係項」 現在横浜美術館で展覧会が開催中!
建物の中にはナム・ジュン・パイク、森村泰昌さん、宮島達男さん、、、
奈良美智さんの部屋は結構わかりにくい場所にあって見落としそうでした。
とりあえず、禁止されていない限り突き進むのが正解のようです。
扉は開けてみる。階段は登ってみる。
原美術館 http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html
-コレクション http://www.haramuseum.or.jp/jp/common/collection/index.php
建物は元々渡辺仁さんが設計したもので、こちらも有名。
渡辺仁さんって色々造られてますね。
東京寺見物 目黒・五百羅漢寺 [日本美術]
江戸時代にも円空や木喰のような素朴で個性的な仏師がいましたが、
江戸・東京には仏像ってあまりないのかなぁと思ってました。
やはり仏像といえば奈良や京都のイメージが強くって。
でも、実際調べてみると東京にも仏像はいらっしゃるようです。
博物館ではなくてきちんとお寺に。
雑誌・東京人の「寺見物」特集号(2002年12月号)では、
東京のお寺が多数紹介されていて、
その中で仏像好きで知られるみうらじゅんさんとはなさんが
目黒の五百羅漢寺を訪ねています。
ぼくも行ってみました。
五百羅漢寺にはその名のとおり五百体の羅漢像が安置されています。
現在は五百体すべては残っておらず三百体弱となってますが、
一堂に会した姿は大変見ごたえがあります。
驚くのはすべて一人で彫ったということ。
江戸時代の仏師・松雲禅師が十数年かけて彫り上げました。
日々の積み重ねの賜物です。
しかも、皆ちゃんと顔や個性が違っていて、これまた驚きです。
東京の仏像もなかなかやるものです。
はなさんとみうらじゅんさんがいるのが五百羅漢寺の本堂
羅漢像の前でポーズ
五百羅漢寺 http://www.rakan.or.jp/
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五百羅漢寺はみうらじゅん&いとうせいこうの「見仏記2(秘見仏記)」にも登場してます。
はなさんも仏像の本を出してます。こちらは奈良と京都が中心。
仏像ファンはなぜかひらがなひょうきのかたがおおいいです。