特別展「民藝が育んだ人間国宝」 日本民藝館 [民藝]
柳宗悦の民藝思想以来、
暮らしの道具である民藝品は、
実用を離れた工芸界にも影響を与えました。
中には人間国宝の指定を受けた方もいらっしゃいます。
今回の展示では、
富本憲吉、浜田庄司、芹沢けい介、黒田辰秋といった柳宗悦ゆかりの作家達の他に、
紙漉の安部栄四郎さん、最近亡くなられた琉球陶器の金城次郎さん、
また、現在も活躍される、
益子焼の島岡達三さん、芭蕉布の平良敏子さん、首里織の宮平初子さん
の作品が展示されていました。
人間国宝を断った河井寛次郎と版画の棟方志功の作品を展示した部屋もあり、
民藝ゆかりの作家大集合です。
個人的には、島岡さん、平良さん、宮平さんの作品を
美術館のような場所できちんと見る機会は少なかったので、
うれしかったです。
今後、民藝の中からどのような優れた工芸が生まれてくるかも、
楽しみです。
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特別展「民藝が育んだ人間国宝」 @日本民藝館
2006 1/7-3/26
日本民藝館 http://www.mingeikan.or.jp/home.html
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民藝関連の本がまた出ました!
こちらは昨年発売の芸術新潮です。
「植田正治:写真の作法」展 [写真]
着物姿の女性や山高帽にこうもり傘を持った紳士とかが
砂丘で横一列に並び写る写真など、
独特の雰囲気を持った作品で知られる植田正治さん。
土門拳のリアリズムや木村伊兵衛のさりげなさとは異なり、
”演出写真”として知られています。
とても不思議な世界です。
今回は有名な「砂丘」シリーズのほかに、
初期や晩年の作品も展示されていました。
写真というより絵画に近い作品も多くあり、
初期の作品から構図や演出が凝っているように感じます。
デジタル時代になり、写真とアートの境界があいまいになってきてますが、
そのような仕事の先駆けとも感じる一方で、
芸術家ではなくあくまで写真家であり続けた方だったのかなとも思いました。
デジタルな処理でなく、演出で行ってる点が今逆に新鮮です。
妻のいる砂丘風景(III) 1950年
植田さんの作品を見て、
まだ行ったことのない鳥取砂丘、そして山陰に行ってみたくなりました。
植田さんは山陰に留まり続けた写真家でした。
植田正治写真美術館 http://www.japro.com/ueda/
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「植田正治:写真の作法」展 @東京都写真美術館
2005 12/17-2006 2/5
東京都写真美術館 http://www.syabi.com/schedule/details/ueta.html
オリジナル・ラヴの村山孝志さん 2 [音楽]
1年位前、元オリジナル・ラヴの村山高志さんが人気予備校講師、
という新聞記事に驚いて記事にしました。
オリジナル・ラヴ時代も講師を掛け持ちでされていたなんて!
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-02-09-7
その後、多くの方にコメントをいただきました。ありがとうござます。
現役の村山さんの生徒さんからのコメントも多くうれしいです。
おもしろいことに、皆さんはぼくとは逆で、
村山先生が元ミュージシャンという事実の方に驚いていらっしゃるみたいです。
ミュージシャンと予備校講師の組み合わせはやっぱり意外性がありますね。
ブログに訪問くださっても、
関連する記事がまったくなかったので、
もう一つ村山孝志さんの活躍されたバンドを紹介します。
村山さんはオリジナル・ラヴ脱退後、
同じくオリジナル・ラヴに在籍した宮田繁男さんとボーカルの田仲玲子さんとともに、
ファースト・インプレッションというバンドを結成されました。
こちらは1995年に発売されたデビュー・アルバムです。
当時、CMやテレビ番組のエンディング・テーマにも使われた曲も収録されていますので、
知らずに聴いている方がいるかもしれません。
現在はおそらく廃盤なので、なかなか手に入りにくそうですが、
村山さんが半分位作曲をされていますので、
探して聴いてみていただければ、と思います。
小鹿田焼のピッチャ [やきもの]
小鹿田焼のピッチャ。
なんとなくバーナード・リーチ風です。
我が家のミリオンバンブーが妙に大きいので、
大振りな花瓶が欲しいと思い選んでみました。
尻すぼみな花瓶だと地震など心配ですが、
安定感がある形が気に入っています。
取っ手付きで運びやすいのも。
ほんとはピッチャのようですが、、、
伊東忠太の妖怪を探すツアー 震災記念堂と築地本願寺 [建築]
<日本>という国民国家が誕生し、
<日本>の美術史を創ったのが岡倉天心だとすれば、
<日本>の建築史を創ったのは伊東忠太といえそうです。
美術史や建築史が創られる過程は、
時代を反映した様々な思惑や
矛盾なんかも含まれていたりして、
今からみると結構面白いです。
ワタリウム美術館では
2003年に伊東忠太展、2005年には岡倉天心展が開催されました。
岡倉天心展は行けたのですが、伊東忠太展は行けませんでした。
ワタリウム美術館 http://www.watarium.co.jp/
最近になって、伊東忠太展の開催記念本を読んでみたら
やはり面白かったです。
法隆寺を「発見」した人
築地本願寺を設計した人
日本の建築史を創始した人
色々語られる伊東忠太像ですが、
ぼくが惹かれてしまったのは、
妖怪趣味に長じた人
伊東忠太は妖怪の絵とともに、彼の設計した建物にも多くの妖怪を残しました。
そこで伊東忠太の妖怪を探しに行ってきました。
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まずは震災記念堂(現・東京都慰霊堂)です
建物外部から妖怪を探しますが、
トリの意匠がそこかしこに隠れています
このトリが一番わかりやすく、いっぱいいました
他にも
このあたりにもトリが隠れていそうです。
これは妖怪っぽい
鐸を加えてるのも妖怪っぽいです
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震災記念堂の脇に立つ復興記念館に眼をやると、
ここにも伊東忠太っぽい妖怪がいました。
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2ヶ所目は築地本願寺。
やっぱり宗教建築には圧倒されます。
正面には羽の生えた獅子のような
内部には写真撮影していいのかわからなかったのですが、
動物が何匹かいました。
おまけのこれはなぜかあった大きなゾウです。
きっと伊東忠太とは関係なさそうですが、意表を付かれたので。
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こちらの本は絶版なのかなかなか出会えませんが、面白そうです。
その後の愛・地球博会場跡地 [万博]
昨年開催された愛・地球博。
ぼくも3回ほど行ってきました。
その後はどうなってるんだろう?
訪ねてみました。
もともと愛知青少年公園だった長久手会場ですが、
愛・地球博終了後は再度公園に生まれ変わるようです。
ただ、ぼくが行った2005年末現在はまだまだ整備中。
中に入ることはできませんでした。
ここからまた何かはじまるといいなと思います。
企業パビリオンはトヨタ館の姿が残るのみです
手前は東ゲートと北ゲートを結ぶ回廊
モリゾー・ゴンドラ乗り場付近
リニモから望むグローバルハウス方面
グローバルハウスは元々あったアイススケート場と
温水プールを利用していたので、元にもどるようです
手前はワンダーサーカス電力館の跡地付近
手前右手がオーストラリア館付近です
中央では大地の塔の解体が進んでいます
遠くにはEXPOドーム
西ターミナルから西ゲートを望みます
愛・地球博跡地を利用した愛知青少年公園の計画はこちらのサイトから
http://www.pref.aichi.jp/koen/YP/pubcome/gaiyouban02.html
D-BROSのカレンダー 「Paper Jam」 [デザイン]
今年はカレンダーを
D-BROSの「Paper Jam」というカレンダーにしてみました。
数字を手でちぎって張り合わせたようなデザインは、
とても凝ったつくりでなんだかいいです。
日本製なので日本の祝日に対応している点も気に入りました。
毎月違う形なので、下から他の月が覗いています。
D-BROS http://www.d-bros.jp/
影 高松次郎「イメージプレース・名古屋駅の人々」 [20世紀美術(日本)]
気に入っている高松次郎さんの影のシリーズ。
横浜トリエンナーレでは、「工事現場の塀の影」(の再現)に出会うことができました。
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-12-07
そんな高松さんの影のシリーズが名古屋にある、ということで探してきました。
タイトルに名古屋駅とあるのですが、
JRではなくて地下鉄桜通線名古屋駅にて発見しました。
なんと全長約60mの大作!
ぼくが行ったときは周りに人がいなかったのですが、
影の存在感は地下鉄乗り場に続く地下道に、
程よい人の気配を感じさせてくれます。
これが人の絵だったらこうはいかないかも、、、
3次元のものを2次元に閉じ込めてしまうのが絵ですが、
影も3次元のものを2次元に閉じ込めてしまうという意味で似てます。
影の絵のもつ程よいリアリティはこの辺に理由があるのかもしれません。
岡本太郎「梵鐘/歓喜」@名古屋・久国寺 [岡本太郎]
岡本太郎さんの梵鐘です。
いつか除夜の鐘としてついてみたいです。
名古屋市北区の久国寺にあります。
年末実家に帰った折、寄ってきました。
芹沢銈介さんの型染カレンダー [民藝]
あけましておめでとうございます。
毎年買ってしまう、
そして今年も買ってしまった
芹沢銈介さんの型染カレンダーです。
今年もこれに決めました。
今年のものは特にデザインが素敵に感じます。
12か月分あります
卓上サイズです
これは印刷された縮小版ですが、
実際に和紙に型染めされたものもあります
http://www.ginza-takumi.co.jp/shohin.files/calendar2003.htm
過去に書いた芹沢銈介さん関連記事 :
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-01-04
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-01-10-2
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-04-21-2
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-05-07-1
http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-07-20-3
昨年も一発目の記事は芹沢銈介さんのものでした!