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デュシャンの遺作 「与えられたとせよ」 @フィラデルフィア美術館 [20世紀美術(海外)]

フィラデルフィア美術館は古今東西の貴重な芸術作品を収蔵していますが、
20世紀美術のファンの方にとっては、
マルセル・デュシャン作品の膨大なコレクションで有名です。

中でも、門外不出の遺作「与えられたとせよ 1.落ちる水 2.照明用ガス」は
フィラデルフィア美術館のために作られた
ここでしか見られない作品で
世界中のデュシャンファンの巡礼地となっています


 ちなみに遺作はこんな感じで覗き見る作品です
 2005年に大阪と横浜で開催された「マルセル・デュシャンと20世紀美術」のカタログより
  http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-02-13

Wikipedia マルセル・デュシャン  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A5%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3

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デュシャンと交流が深くデュシャン作品の偉大な収集家であった
ウォルター・アレンズバーグがフィラデルフィア美術館に全作品を寄贈したことにより、
フィラデルフィア美術館にはデュシャンの作品が大量に収蔵されています。
代表的な作品はほとんどといってもいいかもしれません。

デュシャンと聞いてピンとこない方も、
(ぼくも数年前は知りませんでした・・・)
便器にサインをして展示したいわゆる「レディ・メイド」作品をみれば
思い出されるかもしれません。


 レディ・メイド作品

さらにデュシャンといえば観念的な抽象絵画の先駆けです。
その決定版「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」(通称「大ガラス」)も
フィラデルフィア美術館にあります。


 オリジナルな展示方法で展示された「大ガラス」は光の効果もあいまって美しかったです。
 デュシャン存命中に生じた亀裂も、、、美しい!


そして、大ガラスの奥、暗がりに通じる部屋の奥には木の扉があり、
扉にはよく見ると二つの穴が開いています。
2つの穴を覗き見ると、、、
それが遺作「与えられたとせよ 1.落ちる水 2.照明用ガス」です。

大阪と横浜のデュシャン展では、立体映像による再現作品が展示されていましたので、
覗かれた方もいるかもしれません。

デュシャンは晩年作品を作らなくなりました。
作らないということ自体が作品のようでもありましたが、
実際には晩年の20年間、最後の遺作を誰にも内緒でこつこつと作り続けていました。
そして、デュシャンの死後、解体設置マニュアルとともに遺作は見つかり、
フィラデルフィア美術館に移動しました。
フィラデルフィア美術館のために作られた作品です。

フィラデルフィア美術館 http://www.philamuseum.org/
 

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なぜフィラデルフィア美術館に寄贈先に選んだか?など、
貴重な話が聴きたいかたは↓こちらの本を

デュシャンは語る

デュシャンは語る

  • 作者: マルセル デュシャン, ピエール カバンヌ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1999/05
  • メディア: 文庫


そういえば、カルダーの動く彫刻「モビール」の名付け親はデュシャンです。
フィラデルフィアの奇妙な縁がここにも
 http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2006-05-23-1


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