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東京で伊豆の長八作品に会う @品川・善福寺 [日本美術]

伊豆の長八の作品が東京にあるというのが
前から気になっていて訪ねてきました。

伊豆の長八は西伊豆・松崎町に生まれ、
江戸から明治にかけて活躍した左官職人です。
伊豆の長八は特に”鏝(こて)絵”と呼ばれる漆喰による絵を描くことが得意で有名です。

旧東海道品川宿のあたりにある善福寺には
伊豆の長八の龍の鏝絵が現存します。
屋外にあるため、保存状態はあまりよくないのですが、
そのかわり誰でもいつでも簡単に見ることができます。
久しぶりの伊豆の長八との出会いにちょっと感激。


立体的で彫刻のようなのが鏝絵の特徴

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長八はホントは彩色漆喰による色絵で有名なんですが、
色は残念ながら分かりませんでした。
善福寺の近くの寄木神社には色のきれいに残る伊豆の長八の鏝絵があるようで、
次の機会に見に行ってみたいです。

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興味のある方は西伊豆・松崎町にある伊豆の長八美術館へ。
多くの作品に出会えます。
松崎町はなまこ壁も多数残り、あと海もすごくきれい!
最近は「世界の中心で、愛をさけぶ」のロケ地としても有名になりました。

 伊豆の長八美術館 http://www.izu-matsuzaki.com/cyouhachi.html


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額賀章夫さんの櫛目片口 [やきもの]

笠間に行ったので額賀章夫さんのやきものを買ってきました。
櫛目がすり鉢のように入った片口の椀。
周りには錆(さび)粉引きと呼ばれる
額賀さん独特の釉が掛けられています。

比較的大きな椀なのでいろいろと使い途がありそうです。

 額賀章夫さんのHP http://www.ne.jp/asahi/nukaga/akio/

  西荻窪の魯山で個展が開催されるそうです 10/26-31
  そして、笠間陶器まつりにも出展 11/2-6

 過去の関連記事 : http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-02-09-2


「興福寺・仏頭」 @東京国立博物館 [日本美術]

仏像をみるキッカケはいろいろはありましたが、
みうらじゅん&いとうせいこう著「見仏記」にもかなり影響受けました。

白鳳時代の代表的な仏像で国宝の興福寺(元は山田寺)の仏頭も
みうらじゅんさんにかかれば
「加藤登紀子!!」
となってしまう、、、(笑)。

子供のようなピュアな心で仏像に接することのできるみうらさんがうらやましいです。

その後、興福寺に実際に会いに行ってきました。もう10年以上前。
そして、今回東京にて公開ということで、改めてご対面しに行ってきました。
印象は、、、やっぱり加藤登紀子さん、、、?


写真の角度が一番美しく感じます

見仏記

見仏記

  • 作者: いとう せいこう, みうら じゅん
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: 文庫


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グラフィティ in Japan 「X-COLOR展」 [現代美術]

グラフィティ文化??
すでにご存知かもしれませんが、
ビルの壁面や電車や橋桁のように人目のつく場所に
文字のような、記号のような、アニメのキャラクタのようなものが
スプレーなどで表現されたものをグラフィティと呼びます。

38名の作品が紹介されていましたが、
恥ずかしながら誰も知らなかったです(汗)。
予備知識ゼロで望みました。

会場に来ていたヒップホップスタイルな方が、
何も見ずに作者名を当てるという場面に遭遇し、
ちょっと尊敬しました。

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メキシコ以来、壁画は社会との接点を持つキャンバス。
ただ、グラフィティにメキシコのような明確な大きなメッセージは感じません。
時代も変わってますし、当然かな?
生まれながらの階級社会への不満でもないし、
自己を見失った上での自己表現でもない。
確かに社会は変わって色々な面で良くなってきてますが、
それでも若者達の社会へのイライラは普遍的。(その内容は変わってきてますが)
グラフィティには
現在の状況へのちょっとしたイライラとか、
異文化や空想世界へのほのかな憧れとか、
そこはかとない未来への不安とか または希望とか
個人の小さな気持ちが表現されているようにも見えます。

ビルの壁といえば、広告のメッカ。
電車の外装にも広告が出現しはじめてます。
電車の外装の広告も見方によっては相当変。
一方、グラフィティは見方によっては結構カッコいい!?
今回をキッカケにもう少しニュートラルな気持ちで街を眺めてみようと思いました。

とはいえ、自分の家の壁に登場するとつらいかも。
私的な空間だけに^^。

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今回の展覧会の企画で
美術館の中でなく街にも作品が溢れていました。




どれもすごいんだけど、
最後のFATEかICHIと思われる作品が結構お気に入り。

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画像の合成にも再挑戦。

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X-COLOR グラフィティ in Japan @水戸芸術館 現代アートセンター
2005 10/1-12/4

水戸芸術館 http://www.arttowermito.or.jp/xcolor/xcolorj.html

追記:
本がでました!

X‐COLOR Graffiti in Japan

X‐COLOR Graffiti in Japan

  • 作者: 窪田 研二, 能勢 伊勢雄
  • 出版社/メーカー: 水戸芸術館現代美術センター
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 単行本


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エナジー・ヴォイド 「イサム・ノグチ展」 [イサム・ノグチ]

イサム・ノグチ展が開催中です。
目玉は、、、
牟礼のイサム・ノグチ庭園から”エナジー・ヴォイド”がやってくる!

イサム・ノグチは公園、建築、庭園など
場や空間に合わせて作品をよく制作しました。
日本でも札幌大通り公園の”ブラック・スライド・マントラ”とか、
(現実しなかった)広島の”原爆慰霊碑”とか。
そして”エナジー・ヴォイド”も。

その場にあることに意味がある作品を
他の空間で見るとどうなるか?

”エナジー・ヴォイド”を東京都現代美術館で見てみて、
やっぱり、作品の持つ力は強かった!
設置される場が変わっても、圧倒的な存在感。
きっと印象が違うのだろうけど、
それぞれの設置空間なりに哲学的な思考に導いてくれるようです。

いつか牟礼で再会しなければと思ってます。
印象がどう変わるのか楽しみです。


”エナジー・ヴォイド”のクリアーファイルを購入しました

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東京展のみ通常東京都庁にある(けどなかなか見れない)”無言の歩み”が展示。
札幌展では展示されてなかったようなんですが、
札幌には”モエレ沼公園”がありますので、、、(うらやましい!)

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イサム・ノグチ展 @東京都現代美術館
2005 9/16-11/27

イサム・ノグチ展 http://www.ntv.co.jp/isamu/

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東京都現代美術館に久しぶりの現代美術の企画展、そして行列。
いいことだと思います。

公的施設の赤字経営体質などに厳しい声のあがる時代、
美術館まで難しい経営を迫られています。
なんだか寂しい気分です。
公的施設の赤字経営にピリピリしすぎると、
最後に困るのは市民の側では?思います。
東京都民じゃないので、何も言う事はできませんが、、、

せっかくなので、常設展も観て帰ります。

 東京都現代美術館  http://www.mot-art-museum.jp/top.htm


タグ:isamu noguchi
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単純の積み重ねによる複雑微妙 「加守田章二展」 [巨匠・人間国宝]

”人間は単純なことを積み重ねることは出来るが、一度に複雑微妙なることはなし得ない
複雑なることは大自然のなし得ることである
しかし人間のなし得るはずである単純の積み重ねもなかなかなし得ないことである”

加守田章二さんの陶芸作品をみて、
有機的で複雑な印象の作品が多いと思ってたんですが、
加守田章二さんの上の言葉を読むと、
その作品も複雑に見えて、
実は単純の積み重ねであることに気づきます。

自然界もそうなんですが、
単に複雑なだけでなく、美しい。
そんな作品でした。
もちろん一日でできることではないし、
簡単なことではないです。
つまり、努力の積み重ねです。

”着実な単純な生活の積み重ねこそ最も充実した生活です”

再び、加守田章二さんの言葉です。
いい言葉です。


彩色角扁筒 1972 曲線扁文壷 1970

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浜田庄司、村田元、佐久間藤太郎、木村一郎、島岡達三、、、
民芸陶器の分野で多くの巨匠を輩出した栃木県の益子。
加守田章二さんも益子町の窯で独立しました。
でも、その作品は益子でも異彩。
正確にはそれまでの日本陶芸界の中でも異彩。
最初に作品を見たときは度肝を抜かれました。斬新!

今回の展覧会では多くの作品を見ることができてよかったです。

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加守田章二展@東京ステーションギャラリー
2005 9/10-10/23 (この後、岩手、岐阜に巡回)
 
東京ステーションギャラリー  http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp
 朝日新聞記事 http://www.asahi.com/event/TKY200509060115.html


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サバービア 「We love free soul」 [音楽]

サバービアの橋本徹さん選曲の「free soul」シリーズから
「we love free soul」が発売されました。

まさにフェアリーテイル・オブ・フリー・ソウル!
ベスト・オブ・ベスト・コンピとなっています!

30 - 35 special issue 「We love free soul」

30 - 35 special issue 「We love free soul」

  • アーティスト: オムニバス, アース・ウィンド&ファイアー, ジ・アイズレー・ブラザーズ, ジャクソン・シスターズ, シスター・スレッジ, コーク・エスコヴェード, レイド・インク
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2005/09/07
  • メディア: CD



橋本徹さんのサバービアを意識したのは91年。
当時ファンだったバンドのライブで貰ったサバービアのフリーペーパーが最初の出会い。

92年、サバービア最初のレコード・ガイドブック
「Suburbia suite ; especial sweet reprise」が発売されて、やっぱり影響を受けました。
知らないレコードを探し回って。
映画音楽、ジャズ、ボサノヴァ、ラテン、ムード、ソフトロック、、、
ぼくの生まれていない60年代の音楽を好んで聴いてました。
(母親の青春時代の音楽でもあって、話があったりとかして)

94年には、サバービア2冊目のレコード・ガイドブック
「Surbia suite ; welcome to free soul generation」が発売。
これが新たな世界の幕開け。
それまで縁のなかったソウルを聴くキッカケになりました。

ちょうど同じ頃、
ガイドブックで紹介されている曲も多く収録されている
コンピ「free soul」シリーズも発売されて、
何度も何度も聴いたものです。

やっぱり、今だにサバービアには影響受けてて、
サバービアで紹介されていたレコードがCD化されてるのを見ると、
ついつい買ってしまいそうになります(本当に買うこともしばしば)。
クラブ・イベントには1度も行ったことないんですが。

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あらためて、「We love free soul」を聴いてみると、、、
ミルト・ナシメント作曲、デオダート編曲のearth,wind&Fire「Brazillian Rhyme」で幕開け!
この感じ。この感じ。
その後も名曲の目白押し。
ブックレットもいろいろついて楽しめます。
ぼくの場合は懐かしい学生時代を思い出しながら。

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「free soul」シリーズで一番のお気に入りは、
やっぱり一番最初に買ったこれ↓

フリー・ソウル : インプレッションズ

フリー・ソウル : インプレッションズ

  • アーティスト: オムニバス, ブレイクウォーター, ナイトフライト, エドナ・ライト, コズミック・エコーズ, ロニー・リストン・スミス, リンダ・ルイス, ジョン・ルシアン
  • 出版社/メーカー: BMGファンハウス
  • 発売日: 1994/04/21
  • メディア: CD

もう10年以上前の発売。懐かしいです。

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橋本徹のカフェ・アプレミディ/フリー・ソウル/サバービア
  http://www.apres-midi.biz/index.html
(渋谷パルコPart1 B1Fに橋本さんのセレクト・ショップがあります)


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小鹿田焼のコーヒーカップ [やきもの]

小鹿田焼のコーヒーカップ
櫛目でつけられたのみのシンプルな模様が素敵です

坂本義孝さんの窯です。

 過去の関連記事:http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-07-21


器に見るモダニズム 「ルーシー・リー展」  [巨匠・人間国宝]

ルーシー・リー展、
2003年の展覧会は静かな感動の連続でしたが、
2005年の展覧会も、、、静かな感動の連続でした!
やっぱり、、、いいです。

 関連する過去の記事:「ルーシー・リー展」が再びやってくる
   http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-07-11

イギリスでバーナード・リーチのアドバイスを受けたりしていた時代の作品も展示。
その後、彼女はリーチとは別の独自のスタイルを突き進みますが、
リーチへの尊敬の念は消えなかったようです。
バーナード・リーチとルーシー・リーの場合、
スタイルというより精神で繋がっていた気がします。

通常器を見下ろしながら鑑賞することが多いのですが、
会場のソファに座ると、器と同じ高さで作品を見ることができることに気づきました。
高い高台を持つ独特のフォルムを堪能できます。

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ルーシー・リー展 @ニューオータニ美術館
2005 9/10-11/20
ニューオータニ美術館 http://www.newotani.co.jp/group/museum/exhibition/lucie/index.html


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「ニセS高原から」 S高原から連続上演 [演劇]

人間の内側と外側にはちがう世界が広がっている。
例えば、理想と現実とか、本音と建前とか、、、?

通常、内側を「エゴ(自我)」、外側を「外界」とよび、
その間に「セルフ(自己)」が挟み込まれているモデルで説明されています。
セルフはエゴと外界に挟み込まれて、
様々な葛藤を引き起こします。
理想と現実、本音と建前、、、イライラ、イライラ、、、
これが人間的存在です。

エゴとセルフの葛藤は人間的存在の基本で、
様々な文学で扱われてきました。
そして、演劇でも。

演劇でエゴとセルフの葛藤の図式を好んで用いている方に
青年団の平田オリザさんがいます。
さすが理論派ということで、意図的に用いていることを明言されてます。

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「ニセS高原から」は平田オリザさんの戯曲「S高原から」を元に、
4人の演出家が4種類の「S高原から」を上演する企画です。

高原のサナトリウムを舞台にしたこの作品にも
エゴとセルフの図式を当てはめることが可能です。
不治の病の患者たちのさりげない日常の中に
様々なエゴとセルフの葛藤が描かれています。

エゴとセルフの葛藤に対し人間がとる行動は様々です。
4人の演出家は夫々どう対処したでしょうか?

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ポツドールの三浦大輔組は
エゴとセルフの葛藤によるイライラを隠すことなく
表情やことばに表していく登場人物が多く感じます。

一方、五反田団の前田司郎組は
エゴとセルフの葛藤からどうにか回避しようとしている登場人物が多く感じます。
必死に逃げている感じ。
でも、素直な気持ちを表す三浦大輔組に人間の弱さを、
一方逃げる前田司郎組に逆に人間の強さを感じます。

蜻蛉玉の島林愛組は
戯曲の登場人物の男女をほぼすべて入れ換え演出します。
戯曲で描かれるエゴとセルフの葛藤の人間としての普遍性を示してくれているようです。

三条会の関美能留組は
本音と建前の入り乱れる強烈な演出。
死を身近に生きる主人公達は最後まで笑い叫んでいました。

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小説の世界でもエゴとセルフの葛藤は描かれています。
村上春樹さんの「若い読者のための短編小説案内」では、
村上春樹さんが「第三の新人」を中心にエゴとセルフの図式で小説を解読しています。
エゴとセルフの葛藤への様々な対処法が見てとれます。
(今回の記事の参考にしました。過去の記事でもたまに。。。)

若い読者のための短編小説案内

若い読者のための短編小説案内

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 文芸春秋
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: 文庫

きっと、村上春樹さん自身の小説にもエゴとセルフの図式が

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「ニセS高原から」@こまばアゴラ劇場
2005 8/28-9/27
作:平田オリザ 演出:島林愛、関美能留、前田司郎、三浦大輔

ニセS高原からHP  http://nise-s-kogen.com/

 4つ観るの大変でしたが、面白かったです。

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本家「S高原から」を観た時の記事:
 http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-01-04-1


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