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荒川修作+マドリン・ギンズ 「三鷹天命反転住宅」 [20世紀美術(日本)]

前から見てみたかった荒川修作さんとマドリン・ギンズさんの
”三鷹天命反転住宅 In Memory Of Helen Keller”
を見てきました。
といっても、外部から眺めただけですが、、、

カラフルな丸や四角の組み合わさった外壁はかなり異様で頭も混乱気味、
でもおもしろいです。
さらに内部は床が傾いていたり、壁がゆがんでいたりするそうです。
不思議です。

荒川さんによれば、
この不思議空間こそ頭への刺激になり、
 「天命反転」=「死なないための」
につながるそうです。

”分からないもの”こそ昔から人を惹き付けてきました。
”分かるもの”だけの人生なんてつまらないのかもしれません。

 三鷹天命反転住宅blog http://www.architectural-body.com/mitaka/
 荒川修作+マドリン・ギンズ http://www.architectural-body.com/ja/

次は「養老天命反転地」に行かなければ。

 養老天命反転地 http://www.yoro-park.com/j/rev/

建築する身体―人間を超えていくために

建築する身体―人間を超えていくために

  • 作者: 荒川 修作, マドリン ギンズ
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 単行本


手に入れたけど、まだ読んでません。。。

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”美しいもの”や”美しいひと”を描くのはある意味簡単ですが、
”美”そのものを描くのはむずかしいです。
人によって解釈も違うし、、、
荒川修作さんの絵画は例えていえばこんな感じです。
視覚的な抽象(赤い丸の画とか)ではなく、
抽象的で描くのが困難なものを描く。
当然様々な解釈を生みます。
”分かりにくい”
でもそこが、おもしろいです。

 昨年は「荒川修作を解読する」展に行ってきました。
  http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-04-07


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「山口勝弘展」 -「実験工房」からテアトリーヌまで- [20世紀美術(日本)]

メディア・アート、環境芸術、ヴィデオ・アート、テクノロジー・アート、、、
などで知られる山口勝弘さんの展覧会に行ってきました。

山口勝弘さんは1950年代は「実験工房」のメンバーとして活躍されました。
「実験工房」はいわゆる美術家だけでなく音楽家などもメンバーに含み、
さらに演劇やバレエ、映像などにも関わった総合芸術集団でした。

常に新しいものを追い求めていたようにみえる山口さんの活動ですが、
「実験工房」での総合芸術的な活動が
その後の活動への重要な土台になっている気がしました。
たとえば、メディア・アートにおける音楽や詩的表現の重要性
あるいは、東京フルクサスでのハプニングと演劇における祝祭性の関連
、、、

実験精神あふれる活動だったような気がします。
最新はテアトリーヌ・シリーズ。
実験はまだまだ続くかな。

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「山口勝弘展」 -「実験工房」からテアトリーヌまで- @茨城県立近代美術館
 2006 4/8-5/14
 茨城県立近代美術館 http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/

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 同じく「実験工房」で活躍された武満徹さんの展覧会が東京オペラシティーで開催中
 「実験工房」のドン、瀧口修造さんの展覧会は昨年開催されました。
  http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-02-27-2


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ナムジュン・パイクさんの死亡記事 [20世紀美術(日本)]

ナムジュン・パイクさんの死亡記事を見つけました。
 http://www.asahi.com/obituaries/update/0130/004.html
今では当たり前となっているビデオアートの先駆者として有名です。
ビデオを映すテレビ本体や映像同士の関連性なども作品とする作風は
ナムジュン・パイクさんらしさだと思います。
近未来的なのにレトロな雰囲気もあわせ持つのが不思議です。
大変長いキャリアをお持ちですが、ぼくが意識したのはごく最近で、
昨年の東京都現代美術館の常設展で
いくつかの作品がまとめて紹介されているのを見てでした。


「Niche in T」  
原美術館で出会えます。

福岡のキャナルシティ博多には大規模な作品があるようで、
見てみたいなと思いました。

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ナムジュン・パイクさんと同じ日に
彫刻家の脇田愛二郎さんの死亡記事も見つけました。
 http://www.asahi.com/obituaries/update/0130/014.html?ref=rss
公共の場に彫刻を多く残していらっしゃるので、
たまにその作品に出会いました。


こちらは東京の八重洲で出会った「HELIX8910K」
反復しながら空まで続く無限柱

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昨年末には「具体」で活躍された田中敦子さんが亡くなられました。
昨年の東京国立近代美術館の「痕跡」展で見た
砂浜に棒切れで大きな絵を描く姿の映像が素敵でした。

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皆さん現役で活躍されていた方ばかりなので残念です。
ご冥福をお祈りします。


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影 高松次郎「イメージプレース・名古屋駅の人々」 [20世紀美術(日本)]

気に入っている高松次郎さんの影のシリーズ。
横浜トリエンナーレでは、「工事現場の塀の影」(の再現)に出会うことができました。
 http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-12-07

そんな高松さんの影のシリーズが名古屋にある、ということで探してきました。
タイトルに名古屋駅とあるのですが、
JRではなくて地下鉄桜通線名古屋駅にて発見しました。
なんと全長約60mの大作!

ぼくが行ったときは周りに人がいなかったのですが、
影の存在感は地下鉄乗り場に続く地下道に、
程よい人の気配を感じさせてくれます。
これが人の絵だったらこうはいかないかも、、、

3次元のものを2次元に閉じ込めてしまうのが絵ですが、
影も3次元のものを2次元に閉じ込めてしまうという意味で似てます。
影の絵のもつ程よいリアリティはこの辺に理由があるのかもしれません。






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余白の芸術 「李禹煥展」 [20世紀美術(日本)]

千住博さんと野地秩嘉さんの「ニューヨーク美術案内」を読むと、
ジャコメッティの頁で彫刻の見方として以下の視点が示されています。
 「見る者が彫刻の周りにどれだけ深々とした空間を感じることができるか」
作品の周りに近寄りがたい空気の層があるか?ということです。
彫刻そのものでなく、彫刻の支配する空間をみるという視点が示されています。

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李禹煥(リ・ウファン)さんの彫刻・関係項シリーズは
石ころと鉄板が同時に置いてある彫刻シリーズですが、
やはり、作品の周りに近寄りがたい空気の層を感じます。
さらに自然石の背後にある大きな地球規模の歴史も感じることができそうです。

作品の本来のスケールを超えて感じる
大きな空間の広がりや時間の流れ
これが本展覧会のタイトルにも使われている”余白”のことなのかもしれません。

 余白とは
 空白のことではなく
 行為と物と
 空間が鮮やかに響き渡る
 開かれた力の場だ。

理論派の李さんの言葉は難しいのですが、
作品の”余白”
感じることができたような気がします。


「関係項-暗示」
横浜美術館の前に展示されています。

 過去の記事にもひっそり登場しています。
  http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-11-04-3
  http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-11-04-1
 
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「李禹煥 余白の芸術」展 @横浜美術館
2005 9/17-12/23

横浜美術館 http://www.yma.city.yokohama.jp/exhibition/2005/special/03_leeufan/index.html

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李禹煥さんの絵ハガキを少しずつ集めています。
横浜美術館では見かけなかったです。。。

余白の芸術

余白の芸術

  • 作者: 李 禹煥
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本

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ニューヨーク美術案内

ニューヨーク美術案内

  • 作者: 千住 博, 野地 秩嘉
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2005/10/14
  • メディア: 新書


タグ:李禹煥
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ボクシング・ペインティング 「篠原有司男」展 [20世紀美術(日本)]

絵を「描く」のと「塗る」のは違うようです。
たとえばゴッホは「描く」作家のようで、
1本1本の線を描くことで画面を構成しています。
その執拗に描かれた線になにか情熱のようなものを感じます。
もしもゴッホが「塗る」作家だったら、、、
印象はずいぶんと違ったものになっていたと思います。
もう少しクールな感じ?

篠原有司男さんのボクシング・ペインティングは、
グローブの墨汁を両腕から繰り出すパンチで大画面に叩きつけた作品です。
秩序だってもなく、まったくの無秩序でもなく、
その時のリズム、スピードで繰り出されたパンチの痕跡。
そこから透けて見える印象は、、、
ゴッホの執拗に描かれた線と同様熱い感じです。
機械的なクールさとは程遠い熱気。

そう思って篠原有司男さんの絵画作品を見てみると、
ゴッホ同様執拗に描き、塗っている部分の少なさに気づきます。

表現方法としては一見アクション・ペインティングに近い気がしますが、
案外ゴッホに近いのかもしれないなぁと思いました。

日本のゴッホといえば棟方志功さんなんかもいますが、
やっぱり表現方法は全然違うんですが、
どこかゴッホに近いものを感じます。

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「篠原有司男 ボクシング・ペインティングとオートバイ彫刻」展 @神奈川県立近代美術館
2005 9/17-11/6

 神奈川県立近代美術館 http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/ http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2005/shinohara/index.html
 篠原有司男HP http://www.new-york-art.com/shinohara/

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ゴッホを「描く」作家と教えてくれたのはこちらの本です。
いろいろ教えられることの多い本でした。

ニューヨーク美術案内

ニューヨーク美術案内

  • 作者: 千住 博, 野地 秩嘉
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2005/10/14
  • メディア: 新書


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「荒川修作を解読する」展 [20世紀美術(日本)]

抽象絵画って具象絵画に比べて解釈が難しそうですけど、
本当は抽象絵画のほうがいろいろな解釈ができたりします。
たとえば、赤い丸の画があったとすれば、
見る人はりんごとも太陽とも赤い丸ともいろんな解釈ができます。

そんな「解釈の楽しみ」がアートもつ魅力です。
が、自分にとって解釈不能な作品っていうのもあります。
たとえば、荒川修作さんの作品もそんな一つでした。

最近も荒川修作さんの作品は、
デュシャン展、瀧口修造展、東京現代美術館などで観ました。

なんだか意味ありげに並べられた、写真、文字、矢印など
何かあるに違いないと思うんだけど、
どうしてもわからず、、、、
どこかむずかしい英語の本を読んでいるような、歯がゆい気持ちです。
(村上春樹のような小説にも一部こんな感じがあるような、、、)

そんな折、
名古屋市美術館で開催されている「荒川修作を解読する」展に行ってきました。
荒川修作さんの作品が12点展示されています。

展示方法は変わっていて、
会場には作品とその展示順を示す展示番号の他は作品名もなにも掲示されていません。
鑑賞者はまずは作品だけを観て「解読」を試みることになります。
作品しか情報がないので、何か情報を得ようといつも以上にじっくり観察します。

その後、作品脇にある詳細な解読シートを手に取り、改めて「解読」を試みます。
この解読シートはかなり充実していて、いろいろ教えられます。
(「ボトムレス」や「MISTAKE」にこんな意味があったんだ)

こんな体験を繰り返すことで、
難しそうな荒川作品がもついろんな意味がおぼろげに見えてきます。
奥深いです。

今回の体験をもとに
過去に出会った荒川作品の「解読」、試みてみようかな。
きっと、以前出会った時より楽しめそうです。

あと、養老天命反転地にも行ってみないと。
「解読」というより「体験」による荒治療もよさそうだな。
(養老天命反転地は荒川修作/マドリン・ギンズによるテーマパーク)

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「荒川修作を解読する」展 @名古屋市美術館(黒川紀章設計)
2005 3/19-5/8

名古屋市美術館 http://www.art-museum.city.nagoya.jp/
養老天命反転地 http://www.yoro-park.com/j/rev/


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「瀧口修造 夢の漂流物」展 [20世紀美術(日本)]

先日のデュシャン展にも出展されていた、
瀧口修造の展覧会に行ってきました。

といっても、瀧口修造の作品は全体の中でほんの少し。
残りは瀧口修造の私蔵してきた美術品やオブジェなどが展示されていました。

瀧口修造の作品でなく、
瀧口修造の私蔵品で瀧口修造という人を浮かび上がらせる。
ということでしょうか?

展示されている私蔵品は国内外問わずすごい数です。

ダリやミロにはじまりデュシャン、マン・レイ、
ジャスパー・ジョーンズにマチウやフォートリエ、フォンタナもありました。
国内は岡崎和郎に加え、ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ、ハイ・レッド・センターが充実。
その他、草間彌生やら河原温やら、ほんとにいっぱいでした。
(白山陶器で有名な森正洋さんの作品(オブジェ)もありました!)
これだけの作品が集まってきたという事実だけで、十分人柄が伝わります。

本とオブジェで囲まれた瀧口修造氏の写真がありますが、
とっても幸せそうでした。

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「瀧口修造 夢の漂流物」@世田谷美術館(内井昭蔵設計)
2005 2/5-4/10

世田谷美術館 http://www.setagayaartmuseum.or.jp/index.html

有名な用賀プロムナードを通って世田谷美術館に到着。
美術館の設計は内井昭蔵さんです。

多摩美術大学 瀧口修造文庫 http://bunko.tamabi.ac.jp/bunko/preface.htm


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「榎倉康二展」 [20世紀美術(日本)]

先日、東京国立近代美術館の「痕跡」展を観て以来、
日本の現代美術が気になっています。

そんな「痕跡」展にも出品されていた榎倉康二の展覧会を観に
東京都現代美術館に行ってきました。

「アクション・ペインティング」、「具体美術協会」などにあるような
身体と物質(キャンバス)の間の痕跡を作品とするものに対し、
榎倉康二の作品は
物質、物体間の痕跡を作品としているのが特徴なのかと思います。
身体はあまり感じられません。
(これが「もの派」と呼ばれるゆえんでしょうか?)

ただ、不定形(可変、非永続)、偶然性(無造作)といった
アンフォルメル以降のキーワードは非常に感じます。

例えば、代表作の「しみ」の作品
油が紙に浸透するさまが作品となっています。
決してリジッドでなく不定かつ偶然な作品です。
これを物質主体でやってしまうところがおもしろいところです。

なお、
「痕跡」展とあわせてみるとおもしろいとおもいます。
(できれば、「痕跡」展が先のほうがいいような、、、)

東京都現代美術館 http://www.mot-art-museum.jp/
- 榎倉康二展 http://www.mot-art-museum.jp/ex/plan_h16-05.htm

「もの派」といっても奥深そう
鎌倉画廊 http://www.kamakura-g.com/
 mono-ha をクリック

関連記事 : http://blog.so-net.ne.jp/mckeee/2005-01-23-7


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5、60年代日本の現代美術 -「痕跡」展 [20世紀美術(日本)]

富本憲吉を観に東京国立近代美術館に行ったとき、
「痕跡」展が開催されていました。

50から70年代の現代美術作品を中心にした展覧会です。

イヴ・クライン、ポロック、ラウシェンバーグなどなど
フランスのアンフォルメルやヌーヴォーレアリスム、
アメリカのアクションペインティングやネオダダ、ポップアートが中心ですが、、、

特徴として日本の作品も海外作品と同じくらい展示されていました。

「具体美術協会」、「ハイレッド・センター」、「九州派」、「もの派」、、、
これまで日本の作品ってあまり知らなかったんですが、、、俄然興味を持ちました。
ぜんぜん海外に引けをとってません。

今のところ
「具体美術協会」と「九州派」はアンフォルメル
「ハイレッド・センター」はネオダダやハプニング
「もの派」はミニマリズム
との類似性を感じでいます。

「榎倉康二展」の開かれている東京都現代美術館にも行ってみようと思います。

東京国立近代美術館 http://www.momat.go.jp/

現代美術用語集が充実
artscape http://www.dnp.co.jp/artscape/index.html


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